小林泰三「家に棲むもの」

ボロボロで継ぎ接ぎで作られた古い家。姑との同居のため、一家三人はこの古い家に引っ越してきた。みんなで四人のはずなのに、もう一人いる感じがする。見知らぬお婆さんの影がよぎる。あらぬ方向から物音が聞える。食事ももう一人分、余計に必要になる。昔、この家は殺人のあった家だった。何者が…。不思議で奇妙な出来事が、普通の世界の狭間で生まれる。ホラー短編の名手、小林泰三の描く、謎と恐怖がぞーっと残る作品集。

引き続き、小林泰三。
表題作、幽霊と思わせて実は生者というのは、どーせホラーと思ってのんびりしてしまう読者にはほとんど叙述トリックだった。あー、面白かった(^o^)

家に棲むもの ( 著者: 小林泰三 | 出版社: 角川書店 )
スポンサーサイト

小林泰三「ΑΩ」

僕は一度、死んだ…。人間が破滅しようとしている―。
旅客機の墜落事故。乗客全員が死亡と思われた壮絶な事故現場から、諸星隼人は腕一本の状態から甦った。
一方、真空と磁場と電離体からなる世界で「影」を追い求める生命体”ガ”は城壁測量士を失い地球へと到達した。”ガ”は隼人と接近遭遇し、冒険を重ねる…。人類が破滅しようとしていた。新興宗教、「人間もどき」。血肉が世界を覆う―。日本SF大賞の候補作となった、超SFハード・アクション。


 読み方は「アルファ・オメガ」が正しいんだけど、どうしても、「アギト」って読んじゃう(爆)。
それはさておき。
 「ウルトラマン」をリアルに書いたSF(でもホラー)って聞いたので、一体どんなものだろうと思って手を出してみた。小林泰三というと「密室・殺人」の人だし、その他なかなか新鮮な感触のSFホラーを書いてくれているし、、、と期待しながら。
で、一読、やっぱり端倪すべからざる。。。

 かなりスプラッターな描写が遠慮会釈も仮借もなく出てくるので、ちょっと辟易する部分もなきにしもあらずだけど、それは以前の著作から当然判っていたことなので、まあ友成純一ほどではないと(笑)、とりあえず読んでいくと、急にハードSFっぽいパートに突入。でも、存外コミカルな感じで、ああ、日本SFだな、という感じもある。

 生命体各々に与えられた「名称」が奇怪で、「電話消毒係」と来ると、うーん、と唸ってしまう。カルチャーショックだよね。これは理解しようとしない方が(笑)。
そして、、、「ジュワッ」。
「ヘアッ」。
 ここは笑いましたよ、思いきり。決してギャグとして書かれているわけではないのだけれど、でも、きっとたぶん作者、ここは張り切って羽目を外してこれを書いたんだと思う。他が一応(笑)真面目だったりホラーだったりスプラッターだったりだけに、ここだけが、「ヘアッ!」なのがなんとも言えません。

 全般的には、ウルトラマンというよりは、「ジョジョの奇妙な冒険」の第1部・第2部のような感触か。もっとも、それも「貧弱、貧弱ゥ」等のようなセリフに触発されてのことかもしれない。ロケットパンチ等の修復なども、どう見てもディオら吸血鬼の回復状態だし。
 まあ、ロケットパンチなどからして、必ずしもウルトラマンに限定されず、憑依のきっかけが追跡中の事故というラインだけが著作権侵害(笑)なので、そこだけ強調してオマージュにしているのかも。

 そして、、、それと共存して、「人間もどき」は、きつく、せつなくすらある。

 最初の喫茶店での崩壊シーンは、それに先立つモノローグパートから来る予感と不安も相まって、そして、この千秋のキャラクターの魅力と反比例して、きつく、つらい場面。そして衝撃的。

 最後に「ガ」の『名前』が判るが、これは、これまで小林泰三作品を追ってきた読者には有効なサプライズだったのかもしれない。これについては、私は失格なので、ちょっと勿体なかったな。。。

ΑΩ 超空想科学怪奇譚 ( 著者: 小林泰三 | 出版社: 角川書店 )

プロフィール

ピンクル

Author:ピンクル
名前:
おっぺ(カメ)

ピンクル(ゾウ)

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

リンク

読書メーター

pincleの最近読んだ本

鑑賞メーター

鑑賞メーター
pincleの最近観たビデオ

最近の記事

最近のコメント

Lc.ツリーカテゴリー

ブログ内検索

QRコード

QRコード

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

RSSフィード

FC2カウンター