ジェフリー・ディーヴァー「死の教訓」

半月の夜、暴行を受けた女子大生の死体が池の畔で発見された。現場に残された書き置きは捜査主任ビル・コードを名指しで次の犯行を示唆しており、血で描かれた半月が町の建物六ヵ所に一夜にして出現した。"ムーン・キラー"の凶行を恐れ、町はパニックに陥る。ノンストップ・サスペンスの王者が放つ衝撃作。

読み始める前にちょっと不思議に思っていたのが、上巻と下巻のページ数について。見るからに、上巻の方が分厚い。ちょうど半分には章分けか何かの関係で分けられなかったとしても、クライマックスとなる下巻の方にこそより多くのページが向けられるものなんじゃないのかな、とか思いつつ、ちょっと見てみると、ほぼ五十ページほど上巻の方が多くて、しかも、あれー?、章分けの関係も何も、第2部の途中でぶった切られてる。

 で、まあ、第1部で切ると下巻があまりにも分厚くなり過ぎるみたいだし、第2部の手頃なところで切るしかなかったんだろうな。。。と思いながら読んでいって、あれー、でも、ちょうどここで切れば上下巻がほぼ同じページ数になるところでも、ちゃんと章の切れ目があるぞ、ここで切ったっていいんじゃないの?。。。などと思いながら読んでいっての、上巻最終ページ、最終パラグラフ。

 「うわーーーーーーーーー」

 そ、そうか、なるほど、ぜひとも、上巻を「これ」で終わらせたかったのか、だから、上下巻のバランスを犠牲にしてでも、第2部のここまでを上巻に収めたかったのか。どわー。

 うっかり危うく、上巻のラスト部分を先に見てしまいそうだった、危なかった、見ないでいてよかった、本当によかった、このサプライズが味わえて、私は本当に幸せだ。。。(泣)←うれし泣き。

 と、いうわけで、これからこの本を読もうとなさるかたは、しあわせのため、細心の注意を払って、いきなり上巻最終ページを目にしてしまうことのないように、これ努めましょう。

 
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ジェフリー・ディーヴァー「エンプティー・チェア」

「リンカーン・ライム」シリーズ第3弾。本作は本拠地ニューヨークを離れて、ノースカロライナ州を舞台とする。四肢麻痺であるライムが脊髄再生手術のために訪れた病院で、突然、捜査協力を求められる。土地勘のない未知の環境では、さしものライムも「陸に上がった魚」だ。
2人の女性が誘拐された。容疑者は16歳の少年ギャレット・ハンロン。拉致現場に居合わせた青年を殺して逃走したとみられる。通常「婦女誘拐の場合、発生から24時間が勝負」だ。「それを過ぎると、誘拐犯の目に被害者は物として映るようになり、殺すことに抵抗を感じなくなる」。事件発生からすでに4時間が経過している。少年が逃げ込んだのは広大な森の中の湿地帯。タイムリミットが刻々と迫る。

今回も捜査のパートナーはアメリア・サックス。車椅子から動けないライムの手となり足となる。しかし事件は拉致監禁にとどまらなかった。事件は四方八方へ広がり二転三転する。本作で、アメリアは、ライムの指令を振り切って単独行動に走る。証拠分析を真髄とするライムと、直感を頼りにするアメリアとの直接対決が見ものだ。互いに相手のやり方を知り尽くした2人が出し抜き合う頭脳合戦。抜群のキレをみせながら、なぜだかアメリアの気持ちは読めないライム。2人の恋心もモノローグに終始し、関係が少しも進展していかない。気持ちを伝え合わないもどかしさに重ねられて対決はスリリングに展開する。

息もつかせぬストーリーは、最後の最後まで緊張感を持続させる。圧倒的なおもしろさで期待を決して裏切らない。



 リンカーン・ライムシリーズ第3作。
 第1作「ボーン・コレクター」、第2作「コフィン・ダンサー」がいずれもライムが相手取る「犯人」を指したタイトルだったのに比べ、今作のこれは意味深ではあるがいささか抽象的なものになっている。具体的な名称としては作中で精神分析療法の名前のように出てくるが、特に物語にとって必要な療法だったようでもない。むしろ、アメリア・サックスやライム自身の心の中を暗示するタイトルとして在るんだろう。

 第1作以来、この鑑識ストーリーの迫力には圧倒されっぱなしで、おかげで、他の警察ものを読んでも鑑識的な部分ではどうしても物足りなさをおぼえるようになってしまった(^^;)。ライムがいれば、と思ってしまう(笑)。

 さて、いつも犯人の正体その他で気持ちよくびっくりさせてくれるディーヴァー作品だが、今回も期待に背かず、最後の最後までひっくり返し続けてくれた。ミスディレクションも満載で、力業に次ぐ力業には恐れ入るばかり。
 ただし、ライムがジムを罠にかけるシーンは、これは描写上アンフェアと言ってしまっていいだろう。これはジムの視点で描くことが可能なシーンだったのだから、この瑕瑾はなくしてほしかった。

 いろいろな意味ではらはらさせてくれた作品だったが、巻末の解説を先に読んだのは間違いだった(笑)。未読の人は、とりあえず解説は後回しにしましょう。解説を先に読むと、決してリンカーン・ライムシリーズはこれで終わりではないと確定してしまうので、リディアすらもが犯人側だったと判明し、ライム絶体絶命の場面で章が変わってお墓のシーンとなった、これは作者の一生懸命最後までハラハラさせてくれようという心配り(笑)なのだから、ちゃんとハラハラしてあげるべきなのだ。解説は後回しにしましょう。


ジェフリー・ディーヴァー「悪魔の涙」「ボーン・コレクター」「コフィン・ダンサー」

ジェフリー・ディーヴァーという作家には、「悪魔の涙」と「ボーン・コレクター」の2冊ではまりました。

「悪魔の涙」
二千万ドルを要求する無差別殺人テロの犯人と対決する筆跡鑑定人キンケイド。息もつかせぬ展開とどんでん返しの連続に陶酔の逸品。


いやー、なんとも久しぶりに、「えーっ!?」「えーっっっっ!?」「えええええーっっっっ!?」と思わされたのでした\(^o^)/
ちょっとムリムリじゃないかと思う部分もあったけど、うれしかったー。
というわけで、ついつい節約しようと思った矢先なのに、ハードカバーの「ボーン・コレクター」を買ってしまった(^^ゞ

「ボーン・コレクター」
首から下が麻痺した元刑事と彼の目、鼻、手足となる女巡査が稀代の殺人鬼を追う。
骨の折れる音に耳を澄ますボーン・コレクター。すぐには殺さない。受けてたつは元刑事リンカーン・ライム、四肢麻痺―首から下は左手の薬指一本しかうごかない。だが、彼の研ぎ澄まされた洞察力がハヤブサのごとく、ニューヨークの街へはばたき、ボーン・コレクターを追いつめる。今世紀最高の"鳥肌本"ついに登場!「リンカーン・ライム」シリーズ第一弾。


これも、面白かった!
「悪魔の涙」でこの作家の『手』がわかっちゃってたらどうしようと思ったけど、上を行かれた!
うれしかった!(笑)
これは、小学生の頃、まずヴァン・ダイン「グリーン殺人事件」を読んで意外な犯人に驚いて、それからエラリー・クイーン「Yの悲劇」を読んだとき、『これはきっと、「グリーン」のあの手だろう』と犯人を予想していたらその上を行かれたときのような、喜びだなあ。\(^o^)/ワーイ

「コフィン・ダンサー」
『ボーン・コレクター』に続き、四肢麻痺の科学捜査専門家リンカーン・ライムを主人公としたシリーズ。ベッドから一歩も動かずスーパーコンピュータなみの頭脳で犯人を追い詰めていく異色捜査官の本作における敵は、その刺青から「コフィン・ダンサー(棺桶の前で踊る死神)」と呼ばれる殺し屋。大陪審で大物武器密売人に不利な証言をする予定の証人を消すために雇われた彼によって、民間航空運輸会社の社長兼パイロットがその毒牙にかかり、彼の妻が次の標的に。大陪審まであと2日。追う者と追われる者の息詰まる勝負の行方は…。


これも、大鉈のようなドンデンをもくろんでいて、もう「悪魔の涙」「ボーン・コレクター」と読んでしまうとでてくる登場人物みんな怪しいんですが(笑)。
この「コフィン・ダンサー」については、ちょっと残念なのは、どんでん返しをもくろむあまり、ダンサー本人よりダミーのほうに感情移入が入ってしまった。。。つまり、ダミーのほうが魅力的に思えてきてしまった、という構成ですね。これは、この構成でどんでん返しをもくろむ以上、避けがたかったことだったろうとは思いますが、でも、やはり無い物ねだりです(笑)。

  

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