必殺仕事人V風雲竜虎編第6話「替え玉お見合い騒動」

見て吃驚。
 これは。。。佳作ではないか。
 タイトルはいったい何だったのだ。。。?
 少なくとも、自分としては、激闘編2話の保利吉紀脚本の同趣向作品より唸りながら見ましたわ。
 たぶん、本放送の時にも見ていたはずなんですが、そのときはあんまり感じるものはなかったんでしょうかね、録画してなかったというのは。

 まず、前半部での影太郎の科白の部分がよい。「哀れなのではない。強い母だ。。。そして愚かな母でもある。息子を人でなしにした。。。しかし、私はそんなあなたがいじらしい、可愛い」。

 こういう科白は、「新・仕事」以来、ちょっと耳にすることが難しくなっていたもので。というのは、秀・勇次・政・竜、あるいは非主水ものの仕事師たちにしても、たいていキャラクターが定まってきてしまって、どのキャラも同じような場面では同じようなことを喋ることが多くなっていたもので。
 この科白は、まさしく影太郎だからこそ出てきたものだし、影太郎にしか言えない科白であり、、、こういうのを、キャラクターの存在価値という言い方もできるかもしれないとさえ、私なんかは思うものであります。そういえば、冒頭、主水に向かって「しーっ」ってやるとこなんかも、影太郎ならではだなあ。

 相手役の二宮さよ子は、先述の激闘編2話での母親役のようにあくまで「正」の側に止まっているのではなくて、むしろ冒頭ではどう見てもただ「邪」の方なのが、影太郎と絡む中で変わってきてしまう。この「揺れ」があるものだから、いささか無理がありながらも、ラストシーンで影太郎を刺せずにくずおれてしまうとこが納得できるギリギリのところで踏みとどまれている。
 激闘編2話も保利脚本の段階では、我が子の邪を見かねて仕置きを依頼した母が、土壇場でやはりわが子を思って仕事人たちを裏切ろうとした。。。という「揺れ」が予定されていたようなのだけど、実際の映像作品では「正」のまま終わっている。その分、この風雲編の母の「揺れ」の方が唸り甲斐はあったなあ。
 あ。仕業人4話と比べてはいけません(爆)。あれはまるで別の話です(笑)。

 「アジト」の場面、お玉が捕まってるもんだから、そして絵馬坊主の蝶丸は仕置屋のおこう同様金の受け渡し場面にしか基本的に出てこないから(この蝶丸も、もっと風雲編の話数があって、彼を中心に据えたエピソードがもっと出てくれば、また記憶に残るキャラクターになれたかもしれない。。。)、主水・政・影太郎の3人だけで余分な話もなくキビキビしている。

 そして、アジトを離れるときの主水の「おまえ、本当のあの女を殺れるのか?」という科白をなんと裏付けて、仕置きを遂行しないで仲間たちのところに戻ってきてしまう影太郎。それも、苦しみとか悩みとかもないように、確信犯としか思えない平然としたいつもの調子で戻ってきてしまうのだからすごい(笑)。

 そして、ファースト仕事人までの緊迫感は得られないものの、刀を抜きはなって進んでいく主水と、、、「もう死んでるぜ」。

 仕事人6話「主水は葵の紋を斬れるか?」の時ほどの苦さは望めないけれども、少なくとも「仕事人III」以来これだけ凛々しい(?)仕事人たちは見られなかった気がするので、やはり佳作だよなあ。。。と思う。

 最後の中村家漫才もこれだけのものを見せてもらったあとなら、少し許そう(笑)。確か、せんりつもこの部分でしか出てこなかったような。。。

 吉田剛脚本。
 うむ。いつの頃からか「吉田脚本かあ・・・ダメそうだなあ」と思うようになってたし、「主水死す」の脚本が吉田剛かと思うと「あーあ」なんだけど(^^;。
 風雲竜虎編での吉田剛脚本は、立派ではないか。影太郎は吉田脚本とよく似合う。
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必殺仕事人V風雲竜虎編第3話「返り討ち悲話」

 話としては普通で、別に駄作ではない。この程度のレベルなら、「新・仕置」にだっていくらでもある。
 なのに面白さとして違うのは、主役たちの熱さの問題かな。。。?
 同じかたきうちものとしては、ファースト仕事人の方の3話「仕事人危うし!あばくのは誰か?」にかなうものではないのはしょうがないし。

 なんとか影太郎のキャラ1つで持たせていて、正直、ここでの主水はコメディ・リリーフって感じで。。。 いつから主水は順之助になったんだよ(^^;)

 それにしても、影太郎ってのは、仕事人としての最後最高のキャラではないか? 「仕事人は正義の味方」という意味での。
 秀や勇次、そして政、竜辺りよりも、誰よりも「悪」でない、何だか真田一球さんみたいな仕事人という、前代未聞のキャラではないか?

 かつての秀のように悩むでもない、のちの政のように抜け殻になるでもない、「正義」に酔うのでも熱くなるのでもなく、けれど「悪」を標榜もしない、軽々と生きている。言ってみれば、ある意味では不思議なことに念仏の鉄にも近い、面白いキャラだったように思えてきました。

 惜しかったよなー、風雲竜虎編。。。

必殺仕事人V風雲竜虎編第2話「将軍の初恋騒動!」

旋風編が(とってもひっそりと)終わって風雲竜虎編になって、何が変わったかと言えば、「主水○○する」というサブタイトルがなくなったこと。とはいえ、それは激闘編の時に通過済みのことだし、「○○する」でないといっても、第1話が「謎の二枚目殺し屋登場!」だし、この第2話も「将軍の初恋騒動!」だし、全然ハードでダークな必殺シリーズじゃないなぁ・・・という感じではあったのだ。

第1話を観た限りでもそれほど「旋風編」と比べて格段に良くなったという感じもなく、まあ義理と人情で(笑)観たくらい、かな。で、やはり物語としては、というより、ゲスト(特に将軍役の演技プラン。津島恵子さんはさすが悪くなかった)と演出はかつての必殺とは比ぶべくもなかったのだけど、……影太郎。

仕事人IV以降、観ていてマンネリとしか言えなかったのは、仕事人たちがいつも判で押したようなセリフしか吐かなくなってしまった点があったと思う。「仕事人」おとわ編辺りまでは、つい画面に見入り聴き入り、何度もくり返しその役者さんの顔、表情、目を見据えてしまうようなセリフがあったものだ・・・

ところが、あの秀も、勇次も、中村主水さえも、いつもいつもおんなじセリフしか言わない。またそのセリフか、何回言ってるんだよそれ、思い入れたっぷりに陰鬱な面持ちで言ってるけど、全然こっちの魂に響かないよ、それ。「金を取らなきゃ、ただの人殺しだぜ」。オイ、金をもらったら人殺しじゃなくなるのか、どういう理屈だそれは、特に三味線屋勇次。どこで読んだんだ、そんなこと、なんの本に書いてあったんだ?(←ここ数行、貫井徳郎「殺人症候群」とTVドラマ「俺たちの旅」からの盗作ですm(_ _)m)

「新仕置人」にしても「仕置屋」にしても、その回まるまる凝視していなくても、いざそのシーン――鉄のその場面は、市松のその場面は、という感じで、ガバとばかりに顔をあげて画面を注視しないではいられない、そういうシーンやそういうセリフのところがあったのだ。

失われて、久しかったのだ。

秀や勇次が退場したのち参入した政も竜も、その点では全くおなじことで、手垢の付いたセリフをさも重々しい口調と表情で言うだけで、「もういいよ、それは」という感じで、驚きも切なさも感じられなかった。そう、激闘編の壱や参のみだったのだ、多少なりと渇きを癒す場面を見せてくれたのは。(個人的には、助っ人のうち弐はべつだん政や竜と変わるところがない)

助っ人でしかなかった壱や参と違い、メインキャラクターとして中村主水の仕事人グループに新加入してきた、かげろうの影太郎。だが、三浦友和だし、ということで全然何の期待もしていなかった。
だから、その飄々としたキャラと、それまでの仕事人の言わなかったはずのセリフを特に悲壮感もなく軽い口調でひょいっと言ってしまうのは新鮮な驚きだった。

この「将軍の初恋騒動!」はタイトルもタイトルだし、決してドラマとしてすごいモノではやはり全然ない。けれど、かげろうの影太郎のキャラクターが第1話と違っていよいよストレートに描き出され始めた回なのだ。

久しぶりに、主水と対峙できるだけの器を持っていたはずのかげろうの影太郎。ひょっとしたら、彼こそが、久しぶりに主水の運命を変えられる可能性を持っていたのかもしれなかったのだが・・・

必殺仕事人V風雲竜虎編

さて、必殺仕事人Vの第4弾・風雲竜虎編。
政・竜登場のファーストV(変な表現だ)が自分としては最も印象が薄いというのは前に書いたけれど、第2弾「激闘編」は政が花屋から鍛冶屋に転職したことよりも「助っ人仕事人」の参や壱の印象が強かった。第3弾「旋風編」は新加入の夜鶴の銀平のあまりの空気ぶりに政が目立つかと思いきや、それほどのこともなく、むしろ戻ってきた順之助の「せっかく殺し担当に復帰できたのに、それかい」という悲しみが胸にあふれた。
あっという間に「旋風編」が終わって(いきなり終わってタイトルが「風雲竜虎編」に変わっていて本当にびっくりした。このときの驚きばかりはaoiさんには味わってはいただけない(笑))、OP・ED・仕置のテーマまで含めてそのまんまの「風雲竜虎編」が始まった。唯一、銀平と順之助の代わりに三浦友和が加入するというマイナーチェンジで。

三浦友和かぁ・・・というのが正直な印象であり。だって、三浦友和というのはどうしても山口百恵の相手役という位置づけでしか記憶にもなくて。どんな俳優ということもピンとも来なかったのだ。
むしろ、OPで、「旋風編」では順之助と一緒にボーッと突っ立ってるだけという感じだった便利屋お玉が、今回は悲壮感を漂わせながら「ぶった斬り」を見せている。そっちの方が何となく「おや?」と思わせるくらいの・・・

そして始まった本編。
主水の政に対する「銀平のことはもう忘れろ」。(順之助のことは? という微かな疑問(笑))
ファーストVで竜と一緒に登場したときの生意気な若い新人仕事人という感じは、すでに政にはない。「激闘編」や「裏か表か」を通過して、いつの間にか寡黙さを身につけ、雰囲気も暗くなっている。「旋風編」第1話でもそういう登場の仕方ではあったが、これはスカイライダーからさほど間をおかないファーストVの時期とは演じる村上弘明の成長も当然あったことだろう。

そして、お玉が連れ帰った三浦友和演じる、かげろうの影太郎。まだ、この第1話ではそれほどの魅力は顕れてはいない。けれど、「私」という一人称、変に暗さや影をひけらかさないキャラクターは続く第2話で確かに「この仕事人は違うやつだ」と思わせてくれた。秀や勇次のコピーの時代がついに終わったのだ。

ファーストVの主役は新加入の政・竜ではなかった。では主水かといえば、そんな感じでもなく、IVのメンバーを秀から政、勇次から竜に変えただけのルーティンワークなストーリーが続いていた。「しっかりしろい」「このお金で、仕事人に」。
「激闘編」では参や壱というキャラクターに恵まれながら、彼らが「助っ人」という位置でしかなかったため、正選手たる政や竜より目立つわけにはいかず、けれど政や竜がやっぱりあまり目立たなかったためジレンマが発生した。(だから、正面から中村主水を主役に据えた映画「裏か表か」は凄まじいまでの充実感を持ち得た)
「旋風編」は、新人・夜鶴の銀平の空気ぶりと、復活・西順之助の相変わらずぶりと、じゃあ主水ががんばるのか、政が主役なのか、いや、それもない、という凄まじいまでの位置づけだった。
だが、「風雲竜虎編」は違う。確かに、かげろうの影太郎という男が主役になり得た。いくつかのエピソードにそれがはっきりと描かれている。これが、仕事人第1シーズンの左門おでん屋編以降、欠落しつつある貴重な部分だったのだ。そのシリーズに、人生を描ききるべき「主役」がいる、ということが。

残念ながら、この「風雲竜虎編」は「旋風編」のあまりの不出来さに途中からタイトル変更する形で突如出現したものだった。そのため、結局は回数的にも短命に終わってしまった。スタート時点に比べて、次第に脚本的にも単調になっていったのも否定できない。

けれど、もし、もう少し長く続け、次シリーズの継続登板といった色気を出さずに影太郎の人生を描ききっていれば。
「風雲竜虎編」は、最後に主水シリーズを輝ききらせることができたのかもしれない。

続く「剣劇人」でのゲスト主水の疲れた様子を見るとき、そんなことを思ったりするのだ・・・

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