必殺仕事人V旋風編第8話「主水、コールガールの仇を討つ」

あまりに印象に残っていない「旋風編」ですが、第1話はそれでもそれなりに頑張って作ってあったと思う。。。出門英演じる夜鶴の銀平のキャラがあまりに薄いまま終わってしまったのがなんとも。これが巳代松なみのキャラになっていれば、全然旋風編も違っていただろうに。

そんな中でも、唯一第8話「主水、コールガールの仇を討つ」の回は印象が残っている。
主水が被害者の植えた木を眺めながら述懐する場面、挿入歌なんか流れて、たいていなら「クサイ」場面で寧ろイヤなはずなのに、そのときだけは久しぶりに中村主水が怒ってるなー、と感じて。。。

そう、「旋風編」の中で唯一録画して残してあるのが(あ、最終回は別。「記念に」ってだけで録ってあるもんで、位置づけが全く違う)、この「主水、コールガールの仇を討つ」。
 唯一、見ている最中、「あ……」と思うときがあって、それで、記録しておいたのです。
 で、時々見直す機会があるのですが――これ、話としてはよくできてる方だと思うんですよ。「見事!」というほどではないけれど、若干パターン破りのところもあって、女(被害者)の直接の死の原因が悪党そのものというより、被害者(男)であるということとか。

 そして、女が死んだ後、彼女の「樹」のところでしみじみと、
 「こんな馬鹿げた話があるかい……」
 と述懐する主水が、何か久々に感情をにじみ出させている。ここのシーン故に、実はどうしても録っておきたくなったものなのです。「ビジネス」として何の感情らしいものも見せずにただ淡々と殺していく、それが仕掛人とか商売人の世界の中でなら「渋い」ものだったのですが、「新・仕事人」以降では「惰性」にしか感じられない。「怒るほどのレベルの敵じゃない」ことが原因で「怒ってない」仕事人達が、まさしく「仕事」としてのみ殺していく。そのせいかな、とも思いますが。

 話を戻して、この回の話は、脚本的には決して駄作ではないはずです。おお、確かめてみると安部徹郎ではないか。いつの間に復帰していたのだ、安部徹郎。
 にもかかわらず、「名品」というには難があるようです。他の手を止めて思わず画面に見入ってしうという緊迫感なり充実感なりはほとんどありません。残念ながら。

 これはどうも、ゲストというか、役者というかが、どうにも「ゲストとしての役目」をきちんと果たせていない、ということのような気がします。
 女の方はまだいいんですが、男の方。坂西良太さんという人が、一体役者としてどういう位置にいる人なのか、有名なのか無名なのか、私は寡聞にして知りませんが、もしこの人がかつてのゲスト達のように、こちらを巻き込む芝居をしていてくれれば――全く違った印象だったのではないか、とも思います。(本人や関係者等が読んだら怒るな、これ。)

 つまりは――「後期必殺」が「つまらない」というのは、ゲストたる役者が「がんばらなくなった」からではないか? 前はたぶん、「必殺に出る」というのはスゴイことだったのでは? だから、さあ必殺だとなると、「がんばった芝居」をしていた。
 けれど、後期になってくると、必殺も「普通」となり……別に「特にがんばる」必要もなくなったのではないのか。

 あるいは、ゲストを「がんばらせる」状態に必殺がなれていなかった。

 単純に、ゲストの役者としての力量不足ということかもしれません。だいたい、悪人どもにしても、使い回しばかりで、あ、またタンゲダンペイだ、あ、また白影さんだ、とおなじみの顔になってしまって、インパクトの造りようがなくなってしまった。これは藤岡重慶や牧冬吉が悪いと言っているのではない。役者の「がんばる」気を引き出させる状態に必殺がなっていなかった可能性だけを言っています。
 そしてこれは、スタッフを責めているわけでもなく、まさしく「時代の状況」だったのだろうとは思います。

 かつての必殺をあそこまで充実させていたのは、主役達のおかげばかりではなく、ゲスト(被害者や悪人)がいい芝居をしてくれていたからこそなのだと思っているわけです。
 脚本家がどんなによい本を書いても、演じる側が力量をきちんと見せてくれないと、名品には決してなれない。
 いくつか、もったいないのが他にもあるような気はします。
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