ディーン・クーンツ「ライトニング」

いまは流行作家としてときめくローラ・シェーン、かつては孤児院で辛酸をなめた薄倖の美少女だった。これまでの生涯、何度か人生の危機や事故に見舞われそうになったが、そのつど、どこからともなく立ち現われて危難から救ってくれた"騎士"がいた。そのたびに、空には閃光が…。ジャンルを超えた傑作スーパー・スリラー。

クーンツを読み始めたのは、『100冊の徹夜本』というブックガイドでの熱烈な紹介の賜物(笑)だった。
 確か『雷鳴の館』や『ライトニング』が「強烈な驚き」みたいに情熱的に語られており、スティーブン・キングをはじめホラーというジャンルに食指の動かなかった私に、試しに読んで見ようかという気持ちを沸き立たせた。
 どんでん返しとか意外性とか、多分そういったホラーよりミステリの属性たる面白さが強調されていて、ミステリ読みの私を煽ったわけだろう。

 確か『雷鳴の館』を先に読んだようだ。凄まじいばかりの謎たちに、これが現象通りの「幽霊だ」というオチだったらつまらないが……と思いながら、しかし、かなりスリリングに読み進めることができた。オチというかネタ自体はさすがに竜頭蛇尾スレスレな感じもあったが、物語自体の力もあって失望することもなく、続いて『ライトニング』に進んだはずだ。

 この『ライトニング』では、ことごとく予想の上を行かれるプロットの妙を味わえた。中高生時分を中心に或る程度「SFファン」だった時期があり、ホラー作家のなまじっかなタイムトラベラー物など斬って捨てようという驕った感覚で読んでいたかもしれない。
 たとえば広瀬正の『マイナスゼロ』のような精緻さはない。むしろ、「パラドックス」は不条理なアイテムとしてのみ機能し、整頓しようとすれば笑いだせてしまう匙加減レベルのようだ。同一時間軸ではなく、パラレルワールドへのトラベルになっており、こうなればパラドックスに意味はないはずなのだ。
 だが、そういうツッツキは脇に置いてしまえば、ひたすらエンタテイメントとして楽しめる、「そうきたか」「そういうことか」という面白さが満載なのだ。

 世評では、『ウォッチャーズ』などが人気作であり、それに異論もないのだが、クーンツの面白さを初めてとことん堪能した作品として、個人的には『ライトニング』が印象深い1冊になっている。
 映画にしても、これはかなりいけるんじゃないのかな?

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ディーン・クーンツ「ウォッチャーズ」

森で拾ったその犬には、なにか知性のようなものが、意志に似たものが感じられた。孤独な中年男のトラヴィスは犬に〈アインシュタイン〉と名を与え、半信半疑の対話を試みる。徐々にわかってくる信じがたい事実。それにしても、犬は何を警戒しているのだろう。繁みの陰に、暗闇の奥に、なにか恐るべき"もの"がひそんでいるのか。


 私はクーンツといえば「ライトニング」が好きでしたが、世評では「ウォッチャーズ」というのが傑作の呼び声が高いみたい。これは好きずきというより、私が最初に読んだのが「ライトニング」だったせいでしょう(笑)。読まず嫌いでホラーに触れないでいて、それが初めてクーンツに触れて、どーせホラー。。。という偏見が剥がれたんでしょうねー。
 でもやっぱりクーンツでいないホラーはダメだわ(笑)。

 クーンツの場合、ほとんどの作品が「最後は愛が勝つ」なので(笑)、変な裏切りを恐れないでいいという明快さはあります(笑)。それも、こないだ読んだ某書のような、なんだかわからないが地球を滅ぼせる悪魔のくせに、聖水とか十字架とか、そんな理由もわからないもので「ぎゃあ」とかいう情けないものではなくて、化け物には化け物の理屈というか存在の意味というかがあって、、、まあ、そういうのを味わえるのはやっぱり「ウォッチャーズ」なんだろうなあ。。。


ディーン・クーンツ「ウォッチャーズ」

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