愛川晶「網にかかった悪夢 影の探偵と根津愛 四月」※ネタバレあり

ぼくは十三歳。小さな町の中学校に通っている。一昨年、母さんが死んだ。友達はいない。作る気もない。だけど、恋をしてしまった。三つ年上の、とびきりの美少女に。ぼくの周囲では、陰惨な事件が次々に起きる。まず自宅で親友が殺され、中学校の校内ではさらに奇怪な殺人事件が。そしてぼくは、自分が恋している相手が、神のような推理力をもつ名探偵であることを知ったのだった。でも……。緻密に練られた本格の野心作にして、鮮烈なる青春ミステリー。

 てっきりこの「男の子」がその『影の探偵』と思っていたから、性別トリックに気がついたときは「あれ?」と思った。ちなみに、性別トリックに気づいたのは祖父が彼女の「ぼく」という言い方をとがめた時。勘のいい人だと、それ以前の根津愛の「くん」付けでいいのかと読める(最初はファーストネームでいいのかと聞いているように読めるのが味噌のダブルミーニングだったのね)セリフのところで気がつけたかも。
 篠田真由美の推薦文がカバー裏にあって、そこでは「」と明記してあるから、普通だともうこの敦巳クンは「影の探偵」候補外なのだが、この部分、「」に傍点が振ってあるから、二重の性別トリックくらい疑える。最近は二重人格プロットが多いことだし、愛川晶がそれをサブプロットにしている可能性はある。
 実はさらに極端に、「うさぎ」が「影の探偵」ということまで考えたのだが、性別トリックを早々に見破ったと思って鼻を高くして数ページ後に、あっさり作者自身に明かされたのと同じに、この着想も思いついた数ページ後に同じように作者によって打ち消された。そもそも、中学生の「ぼく」の一人称だからと、何となく牧歌的な事件を想像していたのが寧ろなかなか陰惨で、どうも今回はいわゆる「鼻面を持って引き回されている」ような気がする。……もちろん、このまま引き回され続けて、「思い切り投げ飛ばされる快感」を味わわしてもらえることを期待しているのである(笑)
 それにしても、この「ナオ」の独白は、やはり敦巳別人格だとしても、すると探偵格と合わせて三重の人格があらわれるのか、それとも全く意表をついた展開が待っていてくれるのか、ドキドキ(笑)
↓読み終わってからの追加分。
と、思っていたら、犯人即探偵の併用だったか(笑)。最終的には想像の大幅な上を行くということにはなってくれなかったけれど、まあ、まあまあか(笑)。でも、ラバリストというのは少し唐突。確かに二ヶ所ばかり伏線はあったけれどね(^_^;)

網にかかった悪夢
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