貫井徳郎「さよならの代わりに」

劇団“うさぎの眼”の看板女優が、上演中に控え室で殺害された。事件と前後して現れた、真犯人の存在をほのめかす謎の美少女。駆け出しの僕は、彼女と共に事件の真相を追い始める。彼女に振り回され、時折見せる曖昧な言動に戸惑いながらも、僕は、その不思議な魅力に次第に惹きつけられていく。しかし、彼女は、誰にも言えない秘密を隠していた―。

 貫井徳郎は「本格ミステリ」の書き手なので、一体この作品もミステリなのか、それとも本当に時間SFなのか、最後まで決定することできずに読み進んだ。ミステリならば巧妙な叙述トリックだろうし、SFならば結構の整った時間物だろう、とにかく貫井徳郎作品なのだからという安心感はある。

 このところ「時間」に関わりのある作品を続けて読んでいるように思う。乾くるみ「イニシエーション・ラブ」、蘇部健一「届かぬ想い」といったところ。前者は叙述ミステリだし、後者はタイム物だ。そして、前者は巧妙で、そして「うわー」という痛みもある小説であり、後者はタイトルやイラストやから予想・期待されたのとは正反対な「おい……」という不愉快さのある物件だった。
 そしてこの「さよならの代わりに」は、ところどころ叙述トリックの匂いをさせながら最後まで正統派の時間SFから逸脱することのなかった端正な小説だった。

 「神のふたつの貌」「殺人症候群」のようなずしりとくる代表作にはならないだろう。また、「慟哭」のような、いつまでも忘れられない印象はないかもしれない。けれども、きちんとした貫井徳郎の小説として、やはりちゃんと出来上がっていたよねと思う。「法則」については、やはり貫井徳郎らしいかっちりした構成だった。
 プロローグとエピローグについては、若干、違う造りの可能性もないではなかっただろうけれど。。。

さよならの代わりに
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新スタートレック「エンタープライズの面影」

 旧スタートレックのレギュラーだったチャーリー(スコット)が登場。
 こういう特別編は、やはり楽しい。惜しむらくは吹き替えの声で、これはミスター・スポック登場編の「潜入!ロミュラン帝国」でも書いたわけだが、オリジナルの声優さんが無理だったとしても、せめて……

 特にスタートレック・シリーズの吹き替えキャストについては、あまりに無頓着ではないかと思うところが多過ぎる。旧スタートレックの映画版での吹き替えキャストは、毎回のように平気で(?)主人公のカーク船長をはじめとする主要キャストの声を変えてしまっていたし、新スタートレックの「お馴染み」キャラクターであるバークレイがヴォイジャーに登場し始めたとき、それと前後した回のゲストキャラを田中秀幸が吹き替えており、なのに肝心のバークレイの声は別人だったのだ……(新スタートレックでのバークレイの声は田中秀幸だったのである)

 とはいえ、実のところ私は旧スタートレックの忠実なファンではなく、だから映画版をしっかり追ってきたわけではない。チャーリー(スコット)が、だから、かなり老けて現れていると、それだけであまり「ピン」とは来なくなってはいた。カークやスポックと比べ、チャーリー(スコット)はやはり年を取った……

 このエピソードは、長編のノベライゼーションがあり、そこではさらにサービス旺盛で楽しんで読むことができる。
 旧スタートレックについてはむしろノベライゼーションに親しんできた私などには、テレビ版とはまた違った楽しみがあった。それは、「ジェネレーションズ」についても言えたことだが……

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刑事コロンボ「ビデオテープの証言」

刑事コロンボシリーズ。
ミダス電子工業の社長ハロルドは、会長の娘エリザベスと結婚したためその地位につくことの出来た人物だ。会社を私物化するハロルドを首にしようとしたエリザベスに対しハロルドは殺意を抱く。そして無人の広間を録画した画像を警備室のモニターに流し、その間にエリザベスを射殺してしまった。

脚本:デビッド・L・ルイス、ブッカー・T・ブラッドショー
監督:バーナード・L・コワルスキー
ゲスト:オスカー・ヴェルナー


 「だまされたコロンボ」だの「恋に落ちたコロンボ」だのと情けない迷タイトルを連発している新シリーズはともかく、旧シリーズの中では、この「ビデオテープの証言」というタイトルは、最も凡作っぽい味の無さだと個人的には思う。どう見ても、そうかー、犯人はビデオテープの証言で尻尾を捕まれるのかー、とバレバレな感じだし、他のタイトル群に比べて余韻というか趣というか、そういうワビサビが無いのだ←自分でも何を言っているのかよく分かっていない。
 そういえば、この「ビデオテープの証言」と、あと「黄金のバックル」の2本だけが、ノベライズの際改題されているのだ。(「逆転の構図」も改題版があるが、それは改稿もされてのことで、元はそのままのタイトルだ)「懐かしき殺意」に改題された「黄金のバックル」は解らないが、こちらはやはりタイトルのせいか、、、とは、まあ、違うだろう(笑)。しかし、改題された「燃えつきた影像」の方がやはりとてもよい題名だと、それははっきり言い切れるが。。。

 このタイトルからどうも食指が動かない気がして、あまり見返す機会もないのだが、実は決してそんな凡作ではない。ただ、最後の詰め手は「黒のエチュード」と同工異曲だが、何しろタイトルがタイトルなので、最初から予想がついてしまうのが何とも。。。
 というわけで、旧シリーズには珍しい理由で印象の薄い作品となってしまった稀有な物件がこれなのでありました。
 ちなみに新シリーズのノベライゼーションは殆ど改題されているのであった(笑)。

刑事コロンボ 完全版 Vol.15 歌声の消えた海/ビデオテープの証言

東野圭吾「容疑者Xの献身」 ※ネタバレあり※

数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリ
天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。湯川は果たして真実に迫れるか


 このタイトル……たぶん、「献身」で足りたと思うのだ。「悪意」「卒業」「秘密」「手紙」、漢字2文字だけのタイトルで、東野圭吾はすでに何冊もを発表している。
 それをわざわざ冗長なタイトルにしたのは、「分身」「変身」など眼にも耳にも紛らわしいタイトルの作品もすでに発表しているからなのか――というのは、どうでもいい想像だ。そもそも連載時のタイトルは「容疑者X」だったらしい。となれば、連載時はミステリらしさを強調し、刊行時には作品の本質たる「献身」にしたが、連載タイトルと完全に変えるのもどうかとの考えがあって……という推測も成り立つ。
 いずれにしろ、「献身」――。ミステリとしての見事さと共に、献身……ここまでするのかという、予想も妄想さえも超えた行動は……

 ミステリとしてのたくらみは、かつて『刑事コロ○ボ』「さらば○督」等でも試みられた叙述トリックの仲間だ。倒叙と見せかけて、さらに「知っているつもり」の読者を騙す石神に感情移入した時には、すでに術中に嵌っている。

 が、続いて石神を偏執的だと感じた時には、輪をかけた完全なる敗北を約束されているのだ。

 名探偵と名犯人、天才対天才、その本格味を感得できる作品だが、それすら背景に後退してしまう「献身」の戦慄が待っている。

容疑者Xの献身

必殺仕置人第12話「女ひとりの地獄旅」

一族を虐殺され、ひとり異国に取り残された娘。語るべき言葉も知らず、ただ――恨みのこもった眼差しでじっと見つめていた……

 おひろめの半次の活躍編。それでも、「新仕置人」の正八編ほどの強い感傷を呼ばないのは、演じる秋野太作のキャラクターゆえか。「暗闇仕留人」の「切なくて候」に至ってようやく濃厚な部分が現れた、、、そして完了した、、、という感じもしてしまう。
 「必殺仕掛人」以降、「仕置人」「助け人」「仕留人」と連投した秋野太作、キャラクターの名前は違っても、どのキャラも同じようにしか見えない弱みがあった。「俺たちの旅」のグズ六時には表現できていた哀感がこの必殺シリーズでも出てきていれば、或いはまた違った存在として記憶にも残ったかもしれないのだが。。。

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はみだしっ子Part12 裏切者

 そして、いよいよサーニンの物語が始まる……

 マックスの「奴らが消えた夜」と同様に、「山の上に吹く風は」から直接続く形で始まる――いや、すでに「山の上」で出てきていた少女がそのまま出てくる分、さらに連続性は強いと言えるだろう。
 そしてサーニンは出会う。エルと。エルバージェと。

 ――馬という生き物にさほど思い入れもない。それでも、サーニンとエルとのむすぼれは解る。あとあとグレアムが、クークーのことはよくわからないけれど、サーニンがクークーをどれだけ大事に思っていたかはわかる、と言ったように。
 笑えないサーニンを唯一癒せたのがエルバージェ……サーニンはいつも、なにかしら「はみだし」た者と特に強い愛着でつながるのかもしれない。アンジーら仲間たちはもちろん、エルバージェ、クークー……

 そして「裏切者」というキーワード。

 裏切られた……と人は言う。私の期待は裏切られた。私の信頼は裏切られた。こんなに信じたのに。こんなに愛したのに。

 こんなにも、返礼のあることを願っていたのに、と? こんなにも報われることを……報われたいと……

 いったい、故意に、悪意を持っての裏切りが、本当にどれほどの数も転がっているのだろう。
 それでも……
「私の期待は裏切られたから」
「私の愛情は支払いを停止しました」
 ……

 この「裏切者」には、あまりにも多くの想いが詰まっている。信頼することの難しさ。それは、勝手な押しつけや、幻想でしかないかもしれないのに。
 けれどまた同時に、裏切られてなどいないのに、そんなふうに感じ、思い込んでしまうのもまた。
 どれほど多くの「裏切り」を、「期待」を、「信頼」を、思い、言い、重ねてきたことだろう。
 誰も「裏切られた」などと言わない世界は、楽しいのか。哀しいのか。

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筒井康隆「ポルノ惑星のサルモネラ人間」

地球から学術調査隊が訪れた「ポルノ惑星」で、美人隊員の島崎博士が妊娠した!原因は妖草ゴケハラミ。その処置を年中丸裸の原住民に聞きだしに向ったおれが見た、密林を跋扈する奇怪な動植物の数々。常識に凝り固まった悩みそを爆砕するモンスター・オンパレード。

「根暗」とか「根あか」なんて言葉が流行ったときにはかなり抵抗がありました。一所懸命考えることが「暗い」んだったら、じゃあ、人間には脳味噌いらんじゃないかよ……なんて。
 筒井康隆さんの短編に、「ポルノ惑星のサルモネラ人間」とかいう奇怪な題名の作品があり、その中に、すごく性格の悪い科学者が出てきたんですよ。で、読んでてとっても「こいつ、嫌な奴だな~」とか思ってたんですが、ラスト近くでこの科学者、異星生命体にとりつかれるんです。そして、半分意識をのっとられたような状態になって、すごく「ネアカ」でな~んも悩みのないへらへら喋り散らす奴に変貌する。「わしにはもう何も悩むことはなくなった。わはははははは」なんて。

 こう要約しても、なんだかよくわからないと思いますが、私、読んでてこの場面がなぜかすごく「こわかった」んです。すごく恐怖感を覚えた。
 で、以前の、すごく性格が悪くて、むっつりしてて、「嫌な奴」だった頃の科学者の方がずっと「愛すべき奴」だったと思った。このへらへら笑って「悩みなんかないもんね~」と言ってる奴は不気味で、たまらなくいやだった。

 それで、「ああ、暗かろうが、陰鬱だろうが、やっぱり、人間、悩むってことのできるのが一番だ」と思ったのでした。「悩めなくなったら、人間にはそれはこの上ない不幸なんじゃないだろうか」と。
 つまり、「悩みがあるから、人間なんだ」(笑)。と。

 単に私がウンウン悩むことに特殊な愛好癖を持ってるだけなのかもしれないんですが(笑)。

ポルノ惑星のサルモネラ人間

新スタートレック「超時空惑星カターン」

 「感動作」。。。という触れ込みであればあるほど、最初から胡散臭い先入観を持ってしまいがちな自分を知っている。。。
 「新スタートレック」の「超時空惑星カターン」は、タイトルからは予想できない話だった。感動作だということは聞いていたけれども、SFならSFらしいドキドキワクワクに徹すべきだと思っていたりしたので、ますます距離を置く気分になっていた。。。
 けれども、最後の方で、人々がピカードの前に姿を現すシーンで、涙がこぼれてきてしまったのだから。。。

 感動して泣く資格がある人間かい、卑劣なハレンチ漢のクセして。。。と自分に対して思いもするけれども、泣けてきてまう。。。

 芸術に感動して涙を流しながら、平然と大量虐殺をやったという歴史上の人物のことが、とてもよくわかってしまう。。。

 私は、いつも書くことなのだけれど、「再会」の物語に弱い……理由は判らない。
 この「超時空惑星カターン」は、邦題の付け方の疑問はともかく、長い年月の物語を冗長どころか簡潔極まりなく描きながら、にも関わらず、じっくり心を浸らせてくれる――再会の感傷とでもいうものに。

 設定面を除けば、これはごくオーソドックスな短編映画のドラマだ。だがそこに――願い、あるいは祈りというものを「かなえる」装置としてのSFギミックが投入された瞬間……魔法が産まれる。

 少年時代、ミステリ以外にSFが好きだった。それは、SFというとスターウォーズのような宇宙戦争、あるいは超能力、超人、そういったタイプのものをイメージすると判りがたいかもしれないが、私にとってはやはり「愛」や「感傷」の物語だったのだ――。
 「超時空惑星カターン」は、私にとっては、全くそのままの、スタンダードなまでの「SF」だった。スタートレック、宇宙大作戦、そういうタイトルの、いわば最もドンパチSF、スペオペ、のように思える作品で、こんな感傷を味わってしまうとは……

 人間は、と定義の表現がいろいろあるが、人間は感傷の生き物なのだ、とここでは言ってしまうことにする……

新スター・トレック TV傑作選 ピカード艦長ボックス(2枚組)

「ルパン三世 念力珍作戦」

監督: 坪島孝
脚本: 長野洋
原作: モンキー・パンチ
出演: 目黒祐樹 田中邦衛 江崎英子 伊東四朗 天本英世


モンキー・パンチ原作のコミック「ルパン三世」を実写で映画化。

 前回、久しぶりのマルミスト・オフ(カレー・オフだった)の時に、チラリとコミックの実写版映画の話が出た。マルミスト・オフだが、あんまり佐々木丸美の話はしないのである(笑)。

 「デビルマン」「キャシャーン」「キューティー・ハニー」……私はまだ「ハニー」しか観ていないのだが、ふなちゃんたちの話からすると、やはり概ねこうしたSFコミックの実写版は△評価のようだった――そういえば、という感じで話題に出たのが、「ルパン三世」。
 知る人ぞ知る、なのだが、実はアニメで有名な「ルパン三世」にも実写版があった。まだ赤背広の一番人口に膾炙しただろうルパンが始まっていない頃――青背広で、ハードだったりアンニュイだったりの、宮崎駿が最初に関与したルパンが終わってからの製作だろう。ところどころに、原作テイスト以外に「青背広ルパン」でのムードも感じられる気がする。

 キャストは、ルパン三世が目黒祐樹。私には、「必殺仕事人」第6話「主水は葵の紋を斬れるか?」での役が最も印象的なので「うーむ」という感じだったのだが、軽い科白回しや軽快な動きで、それなりにルパンといえなくもない。

 オフのときも「えーっ!?」という声が上がったのだが、次元大介役は田中邦衛。
 「どんなだったのか?」とオフで訊かれて、確か「バン! バン! バン! 以上0.3秒」と答えたと思う――その場面だけ覚えていて、他は全く記憶になかったのだが、今回観返してみて、やはりそのシーンが印象的だった。

 田中邦衛が次元っぽい(ぽいだけだが)服装で、ショッカーの死神博士こと天本英世演じる殺し屋と対峙している。
 銃を抜く。
 バン! バン! バン! ワンカットずつ、の止め絵で三方向へ撃っている次元大介(の田中邦衛)。
 そして通常画面に戻って、次元邦衛が言う。「以上0.3秒」。
 カメはピンクルに言った。「見た?」
 ピンクルは答えた。「見た」。
 この奇怪な映像は確かに実在する。
 ぜひ、現物を観ていただきたい。

 銭形警部は伊東四朗。これもそれなりに銭形だった。

 「五エ門は?」とオフの時訊かれて、「五エ門はまだいない頃の話だった」と応え、「えっ、五エ門は最初からいたんじゃないの?」と驚かれた話はオフレポで書いたけれど、観返してみたら、それどころかこの映画は、「ルパン三世デビュー」前からの話だった。
 次元はルパン帝国再興のためにルパンを捜索しているし、峰不二子も映画の冒頭でルパンと初めて出会う。
 銭形がルパンと対峙したのも、ルパンが不二子を脱獄させたからだった。

 この峰不二子のキャラクターは、アニメでいえばやはり青背広ルパンの最初の頃のものだ。赤背広以降で不二子を演じた増山江威子でなく(この女優さんは、キューティーハニーの声を演った最初の人でもある)、青背広での二階堂有希子の声で聞こう(いや、江崎英子という女優さんが演っているんだけど)。

 ルパンでなかったら、昔のドタバタ映画だな、で終わるところだけれど、これがルパン三世の実写版かあ……と思いながら観ると感無量だ(笑)。
 「ルパン三世」ファンは、ネタとして観る分、損はないだろう(笑)。

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刑事コロンボ「歌声の消えた海」

刑事コロンボシリーズ。メキシコ旅行を当てた妻とコロンボは揃って豪華客船の旅を楽しんでいた。妻と逸れたコロンボは共に乗りこんでいた中古車業のダンジガーと出会う。だがその夜、殺人事件が発生した。

 とうとうコロンボの「ウチのカミサン」が登場か、、、と思わせますが、思わせぶりで終わります。
 「ミセス・コロンボ」といえば、後に「スタートレック・ヴォイジャー」のジェインウェイ艦長を演じたケイト・マルグルー主演でTVシリーズになっていたのを観ましたが、全然本格でも倒叙でもとにかくコロンボでなかったので、、、しかもそのうち、コロンボと離婚したとか言って違うタイトルで仕切り直したりしたので、私の中では(いや、たぶん、世界中の殆ど全ての人の中で)無かったことになっています。

 それはともかく、この「歌声の消えた海」は、最後の詰め手が例によってコロンボの「罠」でありながらなおかつ、犯人の見落としたミスをコロンボが鮮やかに貫くという形になっているので、見応えは充分です。罠なら罠でいいので、こういうふうに作ってくれていれば。。。(笑)
 犯人役が、ナポレオン・ソロのロバート・ヴォーンなのも、個人的には楽しめました。好対決、という感じ。

 海の上で、他に刑事はおろか鑑識もいないので、一人意外な?捜査知識を駆使していくコロンボの姿も珍しい見物です。たんたんたーん、たんたんたーん、とお馴染みの曲を口ずさむのも、、、
 というわけで、かなりお気に入りの一品なのです。

刑事コロンボ 完全版 Vol.15 歌声の消えた海/ビデオテープの証言

必殺仕置人第11話「流刑のかげに仕掛あり」

無実の罪を着せられて死んでいった者たちの恨みが泣く
だが、相手は奉行ですら一目置くという鬼の目明かし
殺る方が先か、殺られる方が先か


 この回での見所は、一種「スパイ大作戦」めいたオペレーションが視聴者に推測させながら進んでいく点がまず第1。展開のパターンを外して、何が起きているのか、何を起こそうとしているのか、或る面仕置人たちと、今井健二演じる鬼岩との知恵比べの部分があり、それに観ているこちらも参加しているようなところがあるのだ。
 併せて、この鬼岩のパワフルさ。最後の激闘では、鉄と錠の2人がかりで乱闘して、それでもなおかつ鬼岩の方が優勢に見えるくらい。鬼岩には鬼岩なりの悪のポリシーが存在しており、それがゆえに微塵の弱さもない。
 主水と鬼岩の心理的な絡みも印象的で、そういった数々で、この作品を佳作にしているのだろう。

 見逃せないのは、仕置に赴くときの鉄と錠。いかにも楽しげに、「ニコニコ」という感じで並んで歩いている。これが、後期以降でいつもしかつめらしい顔をしている仕事人たちとまったく違うところなのだ。糸井貢になら必要な悲愴さも、誰も彼もという感じで顰めっ面していては、単にポーズっぽくなってしまうのを、後期仕事人たちはぜひ認識してほしかった。

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はみだしっ子番外編 愛しのオフィーリア

「奴らが消えた夜」と「裏切者」、二つの長編に挟まれて、けれど忘れられない印象を残す番外編。
 「奴らが消えた夜」でアンジーは読者にとって不安な一幕を残した。それはサーニンの消息――。
 そしてこの「愛しのオフィーリア」ではさらに追い討ちをかけるように告げられる。基本的にアンジーのモノローグで進みながら衝撃的なヒトコマを落としてくるのだ。
 戻れないよとサーニンが言い、ボクは笑って別れたけど……と。
 そしてグレアムには、そしてエイダやフーにも言えずにただ鬱屈を溜めるアンジー。
 そして……

 アンジーにとって「フー姉さま」は親や文字のままに姉、あるいは恋人だったのか。
 いずれにせよ多分は、アンジーには初めての「安らげる女性」だっただろう。

 これまでの「番外編」は文字通りの番外だったが、この「愛しのオフィーリア」を皮切りのように、本編とリンクして言わば「楽屋裏」のように、あるいは重要なパーツとして、存在するものが現れ始めた。まんま「楽屋裏」と名付けられた数編も有り、また、のちの「サーニンのメモノート」のように、決して外すことのできないものもある。
 そしてやがて、「ロングアゴー」も現れたわけなのかもしれないのだが……

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