スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

加納朋子「スペース」

クリスマス・イブを駆け抜けた大事件のあと、大晦日に再会した瀬尾さんと駒子。ふたりのキーワードは“謎”。『ななつのこ』『魔法飛行』に続く、待望久しい駒子シリーズ第三作。

著者からのコメント
はじめに
この本を手に取ってくださった皆様、どうもありがとうございます。本作品は、『ななつのこ』『魔法飛行』(共に創元推理文庫)に続くシリーズ第三作にあたります。私が『ななつのこ』でデビューしたのが一九九二年、その続編が出たのが翌九三年のことですから、「続きはまだ?」というありがたいお声を耳にしつつ、お待たせすること十年以上……もう誰一人待ってくださってなんかいないのでは、と怯えつつ、ようやく『スペース』を上梓することができました。スローテンポにも程があると、我ながら呆れてしまいます。
そういう、なんとも間延びした間抜けなシリーズなので、この上お願いするのはあまりに厚かましくて気が引けるのですが、できましたら『スペース』単体ではなく、『ななつのこ』『魔法飛行』と順番に読んでいただけたらなあ……と。 もちろん、本作品だけでも完結したひとつのお話としてお読みいただくことはできます。ですから私のこのお願いは作者の単なるわがまま、もしくは「冷めないうちに食べてね」という、おかあさんの台詞のようなものとして、お心に留め置いていただけましたら幸いです。(加納朋子)


「スペース」と「バック・スペース」、2つの話が入っていて、、、 そして、実は「駒子の話」としては、なんと「スペース」の方で終わってしまうのだ。そしてまた、この「スペース」単体1つだけだと、なんだか今ひとつ物足りない、、、
 それが、、、続く「番外編」のような「バック・スペース」で、大きく補填して飛翔してしまうのだ。。。
 「バック・スペース」というタイトルは、「スペース」の単なる対句なんだろうなくらいに思っていた。よくある「もうひとつの視点」の話だからだろう、と。
 けれど、このタイトルは、『このキー』のことだったのだ。。。

 本格ミステリとしての驚きさえも最後に用意してくれて、見事に「駒子シリーズ」は結実した。
 こんなふうに力をくれるから、、、だから、本は読んでいたいものなのだ。。。

スポンサーサイト

アガサ・クリスティ「忘られぬ死」

 フロアショーのライトが消え、ふたたび明るくなったとき、ローズマリーは死んでいた─誰からも愛されていたローズマリーが、自分の誕生パーティーの席上で突如毒をあおって世を去ってから、やがて一年が過ぎようとしていた。
 が、夫のジョージは疑惑をぬぐいきれなかった。
 万霊節の夜、同じ場所、同じメンバーによるパーティをー催したが、そこで新たな悲劇が! 鮮やかなトリックが冴える女史中期の秀作。



 前半が非常に面白かった。このままなら、これは保存版だ……という感じだったのだが、後半、「捜査」が中心になり、一気に魅力が減じた。捜査官たちの魅力がどうこうというより、前半のままに事件の渦中にあるキャラクターたちの感情を読んでいきたかったのだ。
 その点では、同時期に発表されていたらしい「ホロー荘の殺人」のほうがよかったように覚えているのだが、それとも、それは「ホロー荘……」の探偵役がポアロだったためだろうか。クリスティ本人は、「ポアロを出すんじゃなかった、邪魔だった」という意味の反省をしていたようだが……

 時代をパソコンとケータイのある現代に移した映像版を観たが、こちらは回想の殺人ではなく、さらに探偵役が最初から出ずっぱりで、さらにキャラクターたちの性格も全然違うという、まるで日本の2時間サスペンスのような出来で、悲しかった。トリックを観たいんじゃなくて、このキャラクターたちの物語を観たかったのになあ。

歌野晶午「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」

舞田歳三は浜倉中央署の刑事だ。仕事帰りに兄・理一の家によって、小学五年生になる姪のひとみの相手をし、ビールを飲むのを楽しみにしている。難事件の捜査の合間を縫ってひとみをかわいがる歳三だが、彼女のふとした言動が事件解決のヒントになったりもして…。多彩な作風で知られる歌野晶午が、ちょっと生意気でかわいらしい少女と、本格ミステリらしい難事件を巧みに描く。刑事×難事件×おしゃまな11歳=歌野晶午流「ゆるミス」。軽やかに登場。

【目次】
黒こげおばあさん、殺したのはだあれ?/金、銀、ダイヤモンド、ザックザク/いいおじさん、わるいおじさん/いいおじさん?わるいおじさん?/トカゲは見ていた知っていた/そのひとみに映るもの


 タイトルには偽りあり。決して、舞田ひとみ、11歳が、名探偵役なわけではない。
 探偵役は、彼女の叔父の刑事である。この刑事には、特段の個性付けは見られない。また、連作の1つ1つの事件にも、それほどの不可解性等はない(尤も、「なぜ?」興味は割りとそそられるところはある)。

 ミステリとして決して不出来ではなく、よい出来なのだが、小説としては探偵役に魅力がなく云々……と言いたくなり、もしこれがシリーズものなら次は読まないかもというところ……のはずなのだが、意外に面白いのは、探偵役でもなく、第1話はともかくサジェスチョンを与える役回りとも必ずしも言えない「舞田ひとみ、11歳」なのだ。その意味では、このタイトルは後半はともかく、かなり「かくあるべき」タイトルだったかもしれない。

 そして、やはりその舞田ひとみに係る全体を通しての1つの伏線には、せっせと前のページを読み返すことになった。
 面白いミステリを読んだなあと、感慨をもって読み終えることができたのだ。
 やはり歌野晶午の1冊ものはヒット率が高い。

新必殺仕置人第19話「元締無用」

寅の会造反劇の一編。いかに元締・虎や死神が圧政を取り仕切ろうとしても、もともと無頼な殺し屋たちの集団が寅の会だ。腕に覚えのあるものであればあるほど、いずれは邪魔な虎を追い落としてと考えない方がおかしいくらいだ。
 それがやがて「愛情無用」「解散無用」へと繋がっていくわけだが、今回は「虎の娘」話。

 虎の娘といえば、のちの「必殺仕事人V旋風編」から登場したお玉がそう名乗っていたが、寅の会を率いた虎という人物も複数いたので、かなりややこしくなっている。「必殺仕事人」以降、何かというと懐旧的に寅の会だの虎だのという名前が出てくることがあったが、あまり安易に過ぎると設定面がますます(笑)崩壊してしまうよ。
 ただ、それだけこの寅の会と虎という存在が巨きかった、印象深かったということではあるだろう。

 今作は、虎という人物の造形面の深化、虎と鉄グループの一層の「癒着」へと繋がる、設定上意味の深めなエピソードだろう。

新必殺仕置人第18話「同情無用」

旧仕置人の「無理を通して殺された」でも主水の同僚で、同じように「裏」に手を染めた村野という同心が出てきていた。しかし、この村野は本当にただの卑劣感であり、主水と心情の上で共感したり交情があったりということもなかった。
 しかし、この「同情無用」では、主水は自らの相似形のような昼行灯同心と仲間意識を持ちながら、彼が卑劣漢に堕ちていくのを憾み、手にかけることになる。
 物語全体も、主水、鉄、己代松、仕置人たちそれぞれがそれぞれらしい個性で事件の渦中と関わっていく。傑作というインパクトには欠けるが、新仕置人らしいよくまとまったエンタテイメント編だ。

新必殺仕置人第17話「代役無用」

 正八編。正八には、涙と叫びがよく似合う……

 これまでのシリーズにも多くの「サポーター」が存在した。ちょっとヘマだったり、見習い中という感じだったり、探索係として有能だったり、殺しもある程度こなせたり、それぞれだった。
 だが、この正八ほど感傷的で、情熱的で、子供っぽく、意地があり……印象的なキャラクターはなかった。
 正八のキャラクターは同時に、この「感傷の必殺」新仕置人にベストマッチだった。続く「必殺商売人」にも正八は続投したが、この「江戸プロフェッショナル」商売人の中では、正八は新仕置人時代の魅力はさほど顕れてこなかったように感じられる。

 この「代役無用」では、まだ正八の「情念」の爆発は充分ではない。のちの「夢想無用」「愛情無用」などで、正八の叫びはさらに深く心に届くようになる。

 この正八の後身は、むしろ「商売人」よりも、「うらごろし」の正十だったかもしれない。

 「代役無用」で、最も印象的なのは、桜木健一演じるゲスト主人公が殺害されるシーン。この場面での映像演出こそ、必殺ならではと言いたいような類いのものだ。「仕事人IV」あたりからは全くのように見られなくなったものなのだが……

新必殺仕置人第16話「逆怨無用」

「新必殺仕置人」第16話。

なんだか、作品内での時間経過がとんでもない感じになってくるエピソード。一体新仕置人チーム結成から何年経っているんだ、と。。。

 このエピソードでも、新仕置人チームの仲良さ加減がいかにもパワフルで、仕業人チームのようなお互いに信用し合っていないダークさを好む人には愉快でなさそうだ。これは好き嫌いだから仕方がないだろう。
 そして、当然、ラストシーンは主水家コントではなく、新仕置人チームコント(笑)なのだ。


米澤穂信「遠まわりする雛」

古典部シリーズ4。
神山高校で噂される怪談話、放課後の教室に流れてきた奇妙な校内放送、摩耶花が里志のために作ったチョコの消失事件―“省エネ少年”折木奉太郎たち古典部のメンバーが遭遇する数々の謎。入部直後から春休みまで、古典部を過ぎゆく一年間を描いた短編集、待望の刊行。
【目次】
やるべきことなら手短に/大罪を犯す/正体見たり/心あたりのある者は/あきましておめでとう/手作りチョコレート事件/遠まわりする雛



 前作「クドリャフカの順番」が今ひとつ楽しめなかったのだが、今回は短編集、そして時系列は「氷菓」進行中から「クドリャフカ」後まで跨ぎ渡った1年間、かなり興味深く読み進められた。

 普通は、この手の連作は極力時系列順に読みたいと思っている。アダルト・ウルフガイしかり、涼宮ハルヒしかり。けれど、この短編集について言えば、これはこの位置――「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」に次ぐ4冊目にあって、よかったように個人的には思う。

 そして、心地よく読めていった、その最後に、「手作りチョコレート事件」で、ああ、この古典部シリーズは、もともと苦いものだったな、と思い出させ、表題作のラストで心をほぐす・・・
 やっぱり、このシリーズは好きだ。いつの間にかに。そう思っている。

 いや、うしさん、千反田えるは萌えキャラなんてレベルじゃないと思うよ?


米澤穂信「クドリャフカの順番」

古典部シリーズ3。
さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作登場!
待望の文化祭。だが、折木奉太郎が所属する古典部では大問題が。手違いで文集を作りすぎてしまったのだ。古典部の知名度を上げて文集の完売を目指すため、奉太郎たちは学内で起きた連続盗難事件の謎に挑むことに!



『古典部』ものの3作目。
ミステリとしてのネタ自体は短編クラスなので、キャラクターやお話の面白さで引っ張っている。これまでの2作品は、基本的に探偵役の折木奉太郎の視点に絞られていたのが、今回は「四人四様文化祭」ということで、残り3人の一人称も体験できる、その構成そのものは興味深い。
 先に読んでいたうぃすぱぁさんが、「千反田は狙いすぎた感じで嫌いだ」と言うので、「私はそうは思わない」と表明したのだが、今作では多少『天然ぶり』要素を過剰に書き過ぎてしまっているきらいはあるかもしれない。うぃすぱぁさんの思う部分とはズレるだろうが。
 個性を先に立てたキャラクターは、シリーズとして続くうちにそのハレーションが強くなり、いつか感情でなく個性だけが動いてしまい始めかねない。

 どうか、自己模倣、はては自己パロディに行かないように。私が千反田えるという登場人物を好んだのは、その面白げな個性のゆえではなく、『愚者のエンドロール』の最後にほの見えた、ただこれだけの些細な「感情」のためだったのだから。

米澤穂信「愚者のエンドロール」

「折木さん、わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか? その方法は? だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作。

古典部シリーズ2。


アントニイ・バークリー「毒入りチョコレート事件」だということだけど、読み終えてみるとやっぱりアイザック・アシモフ「黒後家蜘蛛の会」のような気もする。

1作目、「氷菓」同様、やはり千反田が好きだ。ありきたりのキャラクターといえば全くその通りで、別に反論する気もないのだが、1作目という今回といい、そのキャラが作品の成り立ちに貢献しているのだ。今回は、伏線伏線がパチパチ嵌っていっていたけれど(パシパシというほどには鮮やかではない)、読み終えて思い出すのは、やはり千反田の最後の科白なのだから。そして、だから千反田はミステリーを読まなくなったのだなと自然に思える。主人公本人は、都筑道夫「物部太郎・片岡直次郎」シリーズの物部太郎の末裔の域をまだ出てはないけれど。

と、あちこちわざと本歌取りならぬリンク張りにして書いてみたりもしてみたのでした。

   

米澤穂信「氷菓」

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない"省エネ"少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。

古典部シリーズ1。


これはシリーズ第1作のようで、2作目の「愚者のエンドロール」が面白いということを聞いたので、とりあえず初回から読もうということで、こちらから手に取った。

レギュラーの顔見せ程度だということを聞いていたので、あまり期待しないで読んでいたのだけれど、存外面白かった。一旦の謎解きが済んだ後、千反田が、「それなら、私はなぜ泣いたのでしょう?」とひとりごちていたという、そのシーン。そのシーン1つで、突然千反田のキャラクターが好きになっていたから。。。
謎解きの最後は、黒後家蜘蛛の会だけれども。

笹の葉ラプソディ

「涼宮ハルヒの退屈」読書中。
冒頭の野球話で、なるほど「溜息」に書かれていたのはこれか、と得心。
要するに、平井和正のアダルト・ウルフガイと同じで、長編が進む間に別掲載した短編が何本か入るために、1冊の本として刊行するときには若干順序のズレが出ちゃうのだね。まあ、アダルト・ウルフみたいに、エピソードが進むにつれて主人公のキャラクターが変化していくというわけではなさそう(たぶんね)だから、そんなに問題はない……かな?

2つ目の「笹の葉ラプソディ」を読んだところなんだけど、時間ものSFで楽しめた。
時間SFといえば広瀬正「マイナス・ゼロ」にとどめをさすと思う。
……が、この「笹の葉ラプソディ」には1つ、「マイナス・ゼロ」以上のトンでもない場面が存在していて、これには驚いて、笑った(笑)。隣の部屋には実は3年……わはははは(笑)。

残りはまだこれからだけど、この「笹の葉ラプソディ」だけでも、「涼宮ハルヒの退屈」は価値ある1冊になっている、そう思う。

プロフィール

ピンクル

Author:ピンクル
名前:
おっぺ(カメ)

ピンクル(ゾウ)

カレンダー

11 | 2007/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

リンク

読書メーター

pincleの最近読んだ本

鑑賞メーター

鑑賞メーター
pincleの最近観たビデオ

最近の記事

最近のコメント

Lc.ツリーカテゴリー

ブログ内検索

QRコード

QRコード

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

RSSフィード

FC2カウンター

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。