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新必殺仕置人第21話「質草無用」

 「子供」が出て来る話にはどうも乗れない。要は、「お涙頂戴」は苦手だということなのだ。
 だから、たとえば子供時代に特撮番組など見ていても、同年代とかの子供が出てきて家族関係や友達関係で悩んでいたりすると、
 「えーい、鬱陶しい。ひっこめ。俺は大人のドラマが見たいのだ。しかし、大人のドラマにチャンネルを合わせると、時代劇調のお涙頂戴か、なんだか知らないがいやらしい男と女のいちゃいちゃかしかないから、もっとクールなSFやミステリが見たくて、それでこの手の番組を見ているのだ。子供なんぞ出てこなくてよいっ」
 などと子供の分際で勝手なことを思っていた。だもんで、ウルトラマンのシリーズを見ていても、子供が滅多に出てこない「ウルトラセブン」が好きで、やたら子供が出始めた「帰ってきたウルトラマン」以降は乗れないことも多かったような。。。

 それはともかく、この「質草無用」は、子供が出て来る。仕置人の1人、鋳掛け屋の巳代松が魚など焼いているところにいきなり現れて、ひもじそうな姉と弟が魚を盗んでいったり、、、とにかく猫のように迷惑をかける。
 どういうわけか知らないが、巳代松の家(といっても、ボロ長屋の一棟だが)に入り込んで出て行かない。話しかけても、返事もしない。特に、姉娘のほうは、妖怪の猫娘さながらの眼で巳代松を睨むばかりで、にこりともしない。
 姉弟は町で盗みをしたりするので、そして何故か巳代松のところに逃げ込んで寝ていたりするので、いつのまにか巳代松はなし崩しに保護者のような立場になってしまっていた。これは巳代松だから起こる現象で、同じ仕置人でも、念仏の鉄のところではこんなことは起こりえない。
 巳代松は、姉娘を「おねこ」、弟を「ちび」と呼んで、なんとなく面倒を見てしまうようになる。
 幾日も経つうちに、やがて明らかになってくるのは、姉弟の母親が巻き込まれていた悪党質屋の陰謀事件。この質屋が悪い奴で、母親は無残に殺されていた。
 しかしもう1つ判ったこともあった。姉弟の父親も殺されていた。だが、それは父親自身が悪党だったからだった。父親は、ただ殺されたのではない。
 それらのことを調べてきた仲間の正八が、巳代松に告げる。
 「仕置されちまってた……」
 「仕置?」
 「うん……松つぁんに、さ……」
 姉弟の父親は悪人だった。そのため、仕置人によって仕置されていたのだ。そして、その仕置人とは、巳代松だった。巳代松が、姉弟の父親を仕置していたのだ。呆然とする巳代松。
 のちの「新必殺仕事人」の錺職人の秀も、その最終回で似たようなシチュエーションに置かれ、そして仕事人をやめる気持ちとなるが、巳代松は仕置人のプロなので、今更そんな気持ちにはならない。ただ、姉弟の面倒を見続ける。
 質屋一味の仕置が行われ、悪人は念仏の鉄や中村主水、そして巳代松によって豪快に殺される。爽快である。
 そして、姉弟の里親が決まり、巳代松は二人を送り出す。
 一緒に見送っている正八が、ぽつりと巳代松に言う。「松つぁん、おねこ、とうとう一言も口も聞かなかったな」
 「ああ……」
 「ひょっとしたら……おねこ、松つぁんが親父を仕置してたの、見てたんじゃないのかな……」
 「…………」
 なにも言葉も返せず、ただ姉弟の後姿を見送っている巳代松。
 と。
 突然。
 少女が振り返る。
 振り返る。
 「……松おじちゃん!」
 振り返って、突然涙を浮かべながら叫ぶ。
 「……松つぁん!」
 正八が愕然と声を漏らし、巳代松も息を呑む。
 「松おじちゃん!」
 少女が松に向かって叫びながら走り出す。
 「松おじちゃん! 私を忘れないで! 私を忘れないで!」
 そこでストップモーション。。。。。。
 巳代松は独りで家の中にいる。何の音もなく、声もない。
 そして、、、終わる。

 「約束無用」に先立つ、巳代松物らしい無言劇風のラスト。
 「子供」が出て来る話は好きではない。要は、お涙頂戴が嫌なのだ。あまりにありふれた人情もので、なんの捻りも工夫もなく、ひたすら恥ずかしくなってしまうだけではないか。
 だから、おねこが振り返って走り出したシーンでボロボロボロボロ涙が出てきてしまったなんて、恥ずかしくって誰にも言えない。
 時代劇を見て、泣けてきてしまうなんて、考えたこともなかったのだけど。


 「必殺」を見ていて泣いてしまうというのは、この「質草無用」と、あとは正八物の「夢想無用」「愛情無用」あたり。
 「翔べ!必殺うらごろし」の最終回でも泣いてしまうんだけど、これも考えてみたら正八物かも。
 「新必殺仕置人」は、プロフェッショナルの仕置人たちの物語であるはずなのに、巳代松とか正八とか、どうしようもなく感情的なキャラクターたちが、どうしようもなく感情を破裂させている、そんな熱くて泣けてくるどうしようもない不出来な必殺シリーズなのだ。

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