荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」から パッショーネ「ボス」の正体

第5部における「ボス」の正体について、中途に於いて推測していたこと。


「何で、『正体』のことがここで出て来るんだ?」

 ……と、トリッシュを今まさに殺さんとする「ボス」の場面でそう思いました。
 トリッシュに対して、確かに肉親であるという絆のようなものを感じる。だから、トリッシュの方もきっと自分に対してそう思うだろう……そこまではよい。肉親の絆の共鳴は、第3部の「ジョナサンの肉体」から発する信号で子孫達にスタンドが発現した辺りからよく強調されることだ。
 つまり、このジョジョ世界においては、これは「当然ありうべき現象」以外の何物でもない。

 しかし、何故そこで「ボス」は、「だから自分の正体がばれてまずい」という発想をしなければならないのだ?

 もともとボスはトリッシュのことを自分の娘であると明言している。トリッシュに「確かにこの人は私の肉親」と感知されたからといってそれが何故いきなり「正体」につながるのだ?

 例えばディオならディオがボスだったとする。トリッシュがディオを見て、「ああ、この人は確かに私のお父さんだわ。この人がこの組織のボスなのね」と思う。それがどうしたというのだ? わかっていたことではないか。それが「正体」につながり、だから殺さなければならない、となるのがどうも僕の中では論理的にはつながってこない。

 こういう場合、ミステリの中では筋道の通り方は決まっている。「この人は私の肉親」と「この人が組織のボス」の二つの事柄が実は矛盾している場合に、「まずい」という発想が出てくるのだ。

 「この人は確かに私の肉親だわ。でも! だとしたら、そんな! そんなまさか! それなら、この人が組織のボスだなんてことはありえない!」

 その「肉親」はトリッシュにとって旧知の人物であり、例えば整形手術などで顔を変えていても、トリッシュには「肉親の絆」で、その「肉親」が「誰なのか」がわかる。そして、その人は、トリッシュの知る限り、「組織のボス」でありえようはずのない人物である。
 ここで無理してこの「肉親」を特定してしまえば、それはリゾットである可能性が高い。ボスの登場とブチャラティの最大の危機というクライマックスまで引っ張っておいて、今更たかだか殺し屋ですという顔でリゾットが出てくるのではアホみたいで気の毒だからである(笑)。
 つまりは、今ブチャラティが戦っている「ボス」は確かにボスには違いないが、もともとのパッショーネのボスではない!

 ブチャラティをまるで結城丈二を救ったデストロンの首領のように(どうも例え方が古いね(笑))助け、側近から信頼され、麻薬に手を出さなかったボスはリゾットによって誰も気づかぬうちにすり替わられてしまったのだ!
 だからこそ、パッショーネはブチャラティの信頼した「麻薬をやらない」組織から変貌を遂げてしまったのだ。

 本物のボスがリゾットに殺されたのか、それとも生きてどこに幽閉されるなり潜んでいるなりしているのかは推測できない。リゾットの(もう決めつけてる(笑))心配事の中に元のボスのことが出てこない以上、殺されている公算が高いが……。

 あっ。
 これ、何のことはない車田正美「聖闘士星矢」の教皇のくだりとおんなじやないか。

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