荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」から 4

スタンドのビジョン同士の戦いは、生身でのアクションに比べて迫真感で劣る、と作者は考えていたはずで、だからこそ、スタンドが傷つくと本体も傷つく、という設定にしたのに違いありません。しかし、それでもまだ、インパクトの作家としては今ひとつ足りなかったのではないでしょうか。
 「ヘブンズ・ドアー!」と岸辺露伴が叫ぶだけで相手の顔面がパカッと割れる、あの画面の異様なインパクトは、スタンドのビジョンを介在させないが故に、なおさら高まっていたはずです。

 さて、そうして続く第5部ですが、この第5部のスタンド達には、ほとんど一様のようにある共通点が見出せます。
 スタンドの像が、スター・プラチナその他のような「戦闘するための戦士」としてではなく、あくまでスタンド使い本体の「技」「武器」のようにしてのみ登場している、という点です。
 但しこれは、ブラック・サバスやベイビィ・フェイスのように本体から遠く離れて活動するタイプのスタンドの場合は、当然別枠扱いとなります。また、フーゴのパープル・ヘイズは、あのときああいう出方しかしていないので何とも言えません。

 ゴールド・エクスペリエンスの場合、肉弾戦だとあんまり強くないので、専ら「物を生き物に変える」「生き物の『時』を混乱させる」といった能力の使い方となっており、描かれ方としてゴールド・エクスペリエンスが画面上存在しないのにいつの間にか何か物体が生き物に変わっていてそれがトリックとなって逆転を果たす……というケースがよく見られます。
 スティッキィ・フィンガーズを含め、「敵」として登場したものたちを見ていくと、スタンドのビジョンが直接戦う「戦士」だったということが実に存在せず、必ず本体がスタンドを「技」「武器」として使いこなしている、という状態です。

 さすがに味方側ではいささか事情が異なります。アバッキオ、ナランチャ、ミスタのスタンド達は、いずれもビジョンなしには考えられない存在感です。それでも、ハイエロファントやチャリオッツなどのように、スタンドがまるで本体と同一存在として戦っているという(例・ラヴァーズ戦。他にも特にハイエロファントはしょっちゅう花京院そのものとして「ぼくは」とよく喋った)ことは決してない。

 まだ味方側については、「スタンドが(不可解な超能力を持っているのではなく)変身したり砲撃したり弾丸を操作したりウィルスを放出したりして直接画面で見える形で活躍する」ので、ビジョンの存在意義は大きいのですが、敵側は最初の敵として登場したブチャラティのフィンガーズを含め、「目には見えないが実はスタンドというものがいてスプーンを曲げている」のではなく、「スタンドが念じると(あるいはぶん殴ったり切りつけたりすると)不思議な現象が起こる」という、「超能力を持ったスタンド」=「別にスタンドの像がなくても困らない」タイプに占められているのです。

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