必殺仕事人第29話「新技腰骨外し」

中村主水の裏稼業を知っている謎の男。闇の奥で仕事人と謎の男の熾烈な戦いが始まる。新レギュラーを加え、装いも新たに送る『必殺仕事人』。

新元締め六蔵の登場。のちに「何でも屋」で知られるようになる加代の登場、おしまの再登場(いや、名前どころか顔もどう見ても同じ人間なのだが、主水との絡み方を見ると、本当にただの別人らしい・・・惜しい(笑))。左門の武士廃業と奇怪な腰骨折りによる仕事への転換、とマイナーチェンジの多かった「仕事人」がとうとうガラリと布陣を買えてしまったのが、この回。

そうだ。
この「必殺仕事人」は、タイトルこそ同じままだが、この回から全くその本質を違えたものになった――はずだ。

これまでにも、元締鹿蔵の降板、新元締おとわの登場で作品の「カラー」は変わりはした。また、単にカラーだけではなく、鹿蔵の不在のために、中村主水の人生に関して「必殺仕事人」という作品がもたらしただろう「さらに、その先へ」がぼやけてしまったのも多分まちがいのないことだ。
しかし、それでも変わらない部分、中村主水にとって重要なものが唯一そのまま残っていた。これが、この回で失われた。

つまり、これまでになかった、「同じ武士であり、同じように家族を持った」仲間である、畷左門の存在のことだ。
確かに、仕業人時代に、赤井剣之介がいた。剣之介は武士であり、お歌という「家族」を持っていた。剣之介も左門同様、所属する場所を失った武士なのだから、左門をこれまでになかった仲間と言い切るのは間違っているのかもしれない。だがそれでも、剣之介という男は、あくまで「元武士」でしかなくなっていたはずだ。大道芸人としてしか食い扶持を稼ぐ術を持たず、「その……金貸せ」と主水にたかろうとする、そんな剣之介に対して、主水が「同じ武士」という気持ちを持っていたかどうかは疑問になる。特に、仕業人チームについては。
剣之介の末路は、間違いなく後々まで主水の中で尾をひいていた。それもまた確かなことであり、そこに「同じ武士、同じように家族」の部分がなかったとは言えない。だが……実はその点のみについては、仕留人糸井貢と変わりはないのだ。貢もまた、元武士・そして剣之介よりはっきりと家族=妻を持っていたのだから。しかし、貢の場合にもやはり、主水が「同じ武士」という気持ちでの感情を抱いていたとは、まず思われない。

左門については、おそらく全く別なのだ。左門は、所属先こそ失ってはいたものの、紛れもなく武士のまま、主水の前に登場した男だ。剣之介のように武士ではいられなくなった者でも、貢のように武士というよりはインテリゲンチャの学者でも、ない。あるいは、かつての主水が、当然のように自分の在るべき姿として漠然と思っていた「武士」。武を以て戦い、家族を守る男。数々の免許皆伝を持った若き主水、中村家に養子に入る前の主水、仕置人に身を持ち崩す前の主水……「正義なんかねえ。正しいことなんか、この世の中にはねえ。そう思いながら、心のどこかでそれを信じて、十手を握ってきたんだ……」そんな、理想を捨てきれない中村主水。
多くの仲間や家族をも失いながらすり切れていった主水の前に現れた畷左門は、かつての自分と重なっていたに違いない。
そして鹿蔵がいて、秀がいた。左門がかつての武士としての自分なら、秀は仕置人に舞い上がっていた頃の自分であり、鹿蔵はこれから辿るだろう自分の行く末だ。「仕事人」の布陣は、そんな中村主水の過去から未来の集大成だった……

鹿蔵が消え、見据えるべき未来の自分を見失った主水にとって、畷左門は未来の自分を占うべき鏡だったかもしれない。

そして、それがまた失われた。

未来の自分が消え、占うべき自分も消えた。それは――或る意味で主水の未来を如実に示していたのかもしれない。

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こんにちは!

おっぺさん大変です!!!

必殺仕事人第一話観たんですが面白いです(笑)

今までダメになった仕事人ばかり見てたせいか、最初はこんなにいいものだったとは知りませんでした…。
ちゃんと必殺のいい部分を備えてるじゃないですかー
緊張感も漲ってますよ~
これがどうやったら後の有様になっていくのか不思議でなりません。

元締いいですね。
すぐいなくなるのが惜しすぎるほど…
左門もいいですよー
剣之介とはまた違うんですね?
主水は新必殺仕置人の最初で鉄に彼の話してましたね。

主水って忘れっぽい人ですよね。
元締に言われた大事なことも自分の思いも忘れちゃうなんて。

そうなんです、最初はそんなだったんです(笑)
たぶん、それが崩壊したのが、このエントリーの回からなんですよ。キャラクターのレゾンデートルすら放棄してしまった、この回。

剣之介については、「新仕置人」の第1話だけではなくて、実はこの「仕事人」第1話でも言及してます。これ、「仕業人」最終回を見てないと分からないんですが……それくらい、主水にとっては剣之介の最期はトラウマだったんでしょうね。

そんな主水にしても、商売人ラストを経験すれば、忘れっぽくもなりたくなると思います。なんだか商売人時代は主水の黒歴史にされてる感じがありますが、主水自身が、とにかく忘れ去りたいところなのかもしれません。

おっぺさんこんばんは、

黒歴史ってのは駄作だったってことでしょうか?
一応あらすじくらいはわかってるんですけど暗ーい雰囲気だった気が。。。
商売人ではすでに仕事人のような雰囲気になってません?
この動画を以前観たときにアンナパパが殺し屋やってて仰天しました^^;

一応商売人まではDVDを揃えていこうと思ってて(仕事人はレンタル)毎週金曜日のポイント3倍デーに楽天で1枚とか2枚ずつ地味に買ってるんですが(笑)
アマゾンより安い分発送が遅いので、仕留人の続きが来なくて発狂してます。
仕事人以前の作品もレンタルして多くの人に見てほしいです~。

うーん、個人的には商売人は初めてそれと意識して観ていた必殺シリーズですし、そんなに駄作とも思わないのですが・・・ただ、かなり地味なんですよ。いろんな意味で・・・
世評としては、アダルトな魅力満載ということになっています。確かに、「必殺必中仕事屋稼業」というアダルトな魅力の極北にあるような作品に連なる部分もあるし、地味さがアダルトな魅力と言えば言える(笑)。ただ、「新仕置人」のような爆発的な面白さを味わってしまい、なおかつ「仕事人」鹿蔵編でもっとアダルトなものを知ってしまっていると、評価的に低くなる嫌いはあるかもしれません。「これ!」と言える名作・傑作回に恵まれていないところもあります。
が、それより「黒歴史」と言ってしまうのは、主水の身に起きた或る出来事が、のちのシリーズにおいて全くなかったことにされているという事実から来ています。
私は、「仕置人」「仕置屋」「新仕置人」「うらごろし」と、オマケで「仕事屋」をボックスで揃えました(笑)。「仕留人」「仕業人」は私の中では一枚落ちるんですよ(^^; 「仕事人」は半吉退場編までならなあ・・・と。
「商売人」は・・・やっぱりボックスを買うところまではいかないのです。いや、駄作じゃないとは思ってるんですってば(笑)。個人的に魅力に欠けてるだけなんです~(^^;

こんばんは!

>世評としては、アダルトな魅力満載

そんな感じですよね!!

でもざっと観た雰囲気だと、果たしてそうなのかな~?とちょっと疑問に思ってたんです^^;
殺陣はいいと評判ですが…。
仕事人ほど完成されてもいないですし仕置人ほど熱くもなさそうで。

ある出来事がナシになってますか…。
なんか、過去に観てた設定がいつの間にか消されてるのってファンとしては悲しいですね。

>ボックス

へえ~~~!!
ボックスで揃えちゃうほど仕事屋稼業って面白いんですか!
これも緒方さんですよね。
緒方さんて必殺を支えてるのに主水とからまなかった(ですよね?)ことで世間からの必殺認知度低いような気がしてます。
必殺の第五弾だったら初期作品ですねー
やっぱり、熱くてエネルギッシュな必殺でしょうか?

設定が消えたといえば、「仕留人」が黒船の頃じゃないですか。それが「仕置屋」になると、黒船なんかどこか行ってるんですね。全然幕末じゃない(笑)。
それで、実は「仕留人」は時系列で行くと主水シリーズの最終編なんじゃないか? とか思ったこともあるんですが、妙心尼の存在がその全てを覆し・・・
だから私は、「仕留人」最終回で貢がとった行動により、日本の歴史は変わって、黒船が来た後ずーっと幕府が存続してたんだと思ってます(笑)。

緒形拳は「仕業人」でチラリとでました。このチラリ度は物凄くて、一緒に棺桶や平内さんも出てたんですが、すごいチラリ度です。乞うご期待。それはともかく、必殺のスタートは緒形拳の「仕掛人」ですから(「必殺シリーズ」のスタートは「仕置人」ですが)、少なくとも「からくり人富岳百景」までは山崎努・緒形拳・藤田まこと+沖雅也が代わる代わるの必殺のレギュラーであり、「顔」だったと思います。
どこかで読んだ説では、「新仕置人」で山崎努が、「新からくり人」で緒形拳が必殺から去り、それで「商売人」の主水はのびのびしている、と(笑)。

「仕事屋」は、面白いというのか、とにかく真実アダルトな作品です。「商売人」とのリンクもありますし、もし梅宮辰夫でなく緒形拳が登場していれば、凄まじいまでの傑作になっていたような気はします。
「必殺」の名が付いているのに、或る回では殺しをやっていないときもあって、なのにその回はどう考えても傑作なんですよ。
役者の演技、緊張感、面白み、そういったものがギッシリつまっている点で、主水シリーズ以外の必殺では頂点だと思います。
個人的に大好きな非主水シリーズは「うらごろし」なんですけどね(笑)。

こんにちは

色々情報ありがとうございます!
まだまだ見てない初期作品がいっぱいあって嬉しい限りです^^

昨日仕事人第二話観てあまりの納得いかなさに真っ先にこちらにコメントさせていただこうかと思ってしまいました(笑)

仕留人が主水の最終話っていいですね。
パラレルワールド説賛成です!
最後は中村さんが熱い人間に戻ったのなら最高だな。

>「商売人」の主水はのびのびしている

確かにそんなふうにも見えますね~。(-_-;)
いよいよ自分が裏稼業でボスになれていい気になってるんでしょうか…。
偉そうに秀さんに説教かましてて嫌な親父になったなー
未練がましい自分に言い聞かせてるのかもしれないですけどね。

若い仕事人に説教かます嫌な親父に主水がなってるのは「仕事人IV」辺りからだと思います。「仕事人」第1シーズンの主水は、あれは秀に自分みたいな目にあって欲しくないんですよ、たぶん。
「このクセはなかなかやめられねえぞ」と笑う鉄と、チームが崩壊するたびに「おれは剣之介のことを忘れてた」と背を向け逃げ出している中村主水。チーム崩壊後逃げ出さずに仕事を続けていたのは、実は「仕置屋」から「仕業人」の連続の時だけで、それ以外の時はいつも「もういやだ」と泣いてやめてるんですよ、主水は。
そんな主水が「スカッとして何も残らない」、謂わば痛快な仕置人時代の自分をまざまざと見せつけてくる若い秀に対して、キリキリ胸が痛くなってしまうのは、私にはよく分かっちゃったりします。あんまり責めないでやってください(笑)。責めるのは「仕事人IV」辺りからの腑抜けた主水を、ぜひ(笑)。
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