必殺仕置人第17話「恋情すてて死の願」

父を陥し入れた証拠が欲しい――それさえあれば、付火の汚名を着せられた父の恨みが晴らせるのだ。
だが、ヤツらの卑劣な手段の前には、あまりにも女の力は弱かった……
人並みの幸せすら味わう事なく、儚くも散った女の哀れさに仕置人の怒りが燃えた――


 今回は、まるで第2話「牢屋でのこす血の願い」をプロトタイプとしたような、いわば「原点回帰」のような話なのだが、情念のレベルで言えば第2話には及ばない。縮小再生産のような感じもあるのが残念だ。

 寧ろ印象的なのは、仕置についての話を聞かれてしまい、いわば「仕置を見られた」ことに対しての、この元祖仕置人たちの反応だ。ある程度のちのシリーズになると、「見られたならば(なんの恨みもないただの通りすがりの目撃者でも)殺す」というのが一種の掟めいて存在し、仕事人たちもそう公言する。
 「必殺仕置屋稼業」の第1話では、沖雅也演じる市松がそれを実行しようとして、しかもその相手が幼い少女だったので主水が息を呑んで成り行きを見つめるという描写があった。また、「必殺仕事人」の46話「怨技非情竹光刺し」では、大勢に顔を見られた錺の秀が自ら命を絶とうとするシーンもある。
 しかし、いずれの場合も、現実にその「見られたら親兄弟でも殺す。そういう世界なんだよ」(「必殺渡し人」第1話の中村雅俊演じる惣太のセリフ)が実行されたことはない。この渡し人惣太のセリフのように、大仰に、大上段に振りかぶる「掟」ばかりが先行するが、実際に「罪もない」目撃者を殺害する度胸は仕事人たちにはないようだ。

 「必殺仕事人III」第1話では、さんざ「おまえがやれよー」などと情けない押し付けをしあった挙げ句、目撃者たる受験生西順之助を「見なかったことにしろよ」と逃がしてしまう。

 初期の「助け人走る」では、裏の助け仕事について知ってしまったお吉に対して、「死ぬか、それとも仲間になるか」が選択を迫られる場面があったが、お吉が当初からのレギュラーで助け人たちとも懇意だったこともあり、どちらかといえば予定調和的な大らかな描き方だった。

 さて、で、この必殺仕置人での最初の「目撃の危機」ではどうかといえば、実に当然のように、仕置人たちは「どうする、どうする」と合議を始めるのである。
 仕置をするときでも、特に元締めもあるわけでなく、合議した上で決行等を決めていく「アマチュア集団」である仕置人たちにとっては当然のことだったわけだ。
 結局、「とりあえず話し合おう」みたいな感じで、目撃者と対することになるのが、なんともコミカルで、しかもとても当然のような人間的な、印象に残るシーンだった。。。

 仕置シーンでの主水の高笑いも、「牢屋でのこす血の願い」を思わせるあたり、やはり狙ってのことかなという感じか。


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