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スタートレック・ディープスペースナイン「奪われたディファイアント」

 「新スタートレック」のライカー副長登場というイベント編……ただし、ウィル・ライカーには違いないが、分離したもう一人のライカーの方で、しかもテロリスト集団マキに肩入れするようになっているとは……途中経過なしではちょっとすんなり納得しにくいところもある。
 まあ、いくらライカーといっても、エンタープライズの副長としてピカードと共に何年も過ごして来たライカーではない。考え方や進む道が変わっても仕方がないが――。

 新スタートレック「もう一人のウィリアム・ライカー」で、このもう1人のライカーは登場した。こういった話の典型は、「もうひとり」は偽者である、というものだ。
 旧スタートレックの「二人のカーク」が善悪それぞれのカークだということで捻ってあったわけだ。このときの2人のカークはどちらも実は本物のカークで、単に善と悪に分裂していた、そして善のみでも悪のみでも不完全だった、という話になっていた。

 この「もう一人のウィリアム・ライカー」はさらに進んで、本当に本物の2人のライカーが存在してしまう。これがのちのちヴォイジャーで「二つのヴォイジャー」があり、そしてたぶん前代未聞の展開になり、と繋がったのだろう。
 SFドラマならではの設定で、人の深奥の感情が描かれる。これこそSFの効用というものだ。
 もうひとりのライカーは、さらにこのDS9で意外な行動を見せたわけだが、TNGの「惑星連邦“ゲリラ部隊”」エンディングでのライカーを見返す時、つい、やはり理解できたつもりになってもしまうのだ……

 今回の吹き替え版で困ってしまうのが、なんとライカーを「司令官」と呼ばせてしまっていること。間違いではないのかもしれないが、いくら違うシリーズへのゲスト出演だからと、これまでの呼称といきなり変えてしまうのはあんまりではないか?

 訳者は、「新スタートレック」を見ていなかった視聴者には「副長」と訳すとわけがわからなくなると慮ったのかもしれないが、いきなり「司令官」では、前から見ているこちらこそわけがわからなくなる。ピカードが引退してライカーが艦長として後を引継ぎ、司令官と呼ばれているみたいだ。
 シスコも同じ「司令官」だからなおさら混乱の元だろう。

 せっかくの素晴らしい吹き替え文化、もっといろいろ大切にしてくれると嬉しいのだけれども……
 ストーリーより、そっちが引っ掛かったまま観終わってしまった(^^;)

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