若竹七海、他「五十円玉二十枚の謎」

店に入るなり男は一散にレジを目指し、五十円玉二十枚を千円札に両替してくれと言う。渡された札を奪うように受け取ると慌てて出て行く。本屋のアルバイト嬢だった若竹七海に忘られぬ印象を残した、土曜日の珍客。爾来、彼女が友人知人にこの謎めいた両替男の話題を提供するたび談論風発、百家争鳴すれど決定打は出ないまま。…という紆余曲折を経て成立した、世にも珍しい競作アンソロジー。
 若竹七海提出のリドル・ストーリーにプロアマ十三人が果敢に挑んだ。
 解答者/法月綸太郎、依井貴裕、倉知淳、高尾源三郎、谷英樹、矢多真沙香、榊京助、剣持鷹士、有栖川有栖、笠原卓、阿部陽一、黒崎緑、いしいひさいち



。。。を、数年ぶりだと思うのだけど、再読して、とっても、やっぱり、面白い(笑)

 と、いきなり書いても知らない人にとっては何の事やら分からないですね(^^;)。

 今を去ること数年前、現・ミステリ作家の若竹七海がまだ木下藤吉郎だった頃(うそ)、まだ学生さんで、本屋さんでバイトさんなどをしていた頃、不思議な出来事に遭遇した。
 土曜日の夕方、1人の男が大変に急いで店に入ってきて、まっすぐレジにやってくると、手に握りしめてきた硬貨をずらりと現・若竹七海の前に並べ、
 「千円札と両替してください」
 というような意味のことを言ったのだと。
 硬貨は五十円玉で、20枚ちょうどあった。
 現・若竹七海がそれを数えている間、男は何となくいらいらした様子で待っていて、彼女が千円札を渡すとほとんどひったくるようにそれを受け取り、体を自動ドアにぶつけながら礼も言わずに通りへ消えたのだという。
 それから男は、たびたび、それも土曜日のたびにレジにやってきて、五十円玉20枚を千円札と両替するように言い、両替が終わるとさっさと姿を消した。
 男は中年で、パッとしない顔つき体つき、身なりをしていた。あまり本屋には縁がなさそうなタイプで、事実、彼は一度も本を買ったりしなかった。その男がなぜ、どうして土曜の夕方ごとに、五十円玉を千円札と両替してもらいに来るのか。
 。。。

 この、現・若竹七海の体験談たる「謎」を推理する、という試みがこの「五十円玉20枚の謎」で、何人かのプロ・ミステリ作家が解答を寄せ、また、読者も解答をミステリ小説形式で応募した。
 現・倉知淳も、何を隠そう、この解答を応募した一読者であり、この応募作品で名探偵・猫丸先輩もデビューしたのであります。

 真実は不明でありますが、やはり魅力的な解答を考え出す能力が(妥当な解答を、ではなくって)ミステリ作家には不可欠だよなー、とか思う私なのでありました。。。

競作五十円玉二十枚の謎
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