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平井和正「魔境の狼男」もしくは「人狼地獄」あるいは・・・

と、いうわけで、「魔境の狼男」もしくは「人狼地獄」、或いは「リオの狼男」+「人狼地獄篇」。

前に書いたように、「リオの狼男」と「人狼地獄篇」はストレートに繋がってはいるが、プロット的には別個の作品だ。それは、のちの「狼は泣かず」と「人狼白書」の関係に近い。これについてはまたそのときに。

「リオの狼男」は、親友の蛇姫・石崎郷子が誘拐されたとの連絡に、全然心配はしていないながらもリオまで赴いて、捜索をする。その際にエリカという娘と知りあう。郷子をさらったのは、ライオン・ヘッドという超能力者だと判明し、この超能力者と満月期の狼男の戦いという構図となる。シンプルな、いかにもアダルト・ウルフガイというストーリーだ。
この作品の楽しみは、エリカという娘のキャラクターと(それが「人狼地獄篇」へと繋がっていく)、犬神明の不死身ぶりのとんでもなさだ。
これまでも、「狼男だよ」等で、銃弾を浴びても身体にめり込むだけでじきに押し出され、傷口もみるみる治ってしまうという形で不死身性は表現されていた。しかし、この「リオの狼男」で闘ったのは超能力者であり、金縛りにされた犬神明は巨大なトラックに挽きつぶされてしまう。身体はぺちゃんこ、内臓が口からはみ出すというグロテスクさだ。
そこで犬神明は、無理やり道路にへばりついた身体を引き剥がし、内臓を苦労して飲み込み直して、歩き出すのだ。これはもう笑うしかないとんでもなさだ。
この「リオの狼男」は、「狼男だよ」以降暗く陰鬱な物語の続いていたアダルト・ウルフガイが、ひさしぶりにリオの陽気なエネルギーを吸収して、痛快なアクションを繰り広げる形で進んでいる。――エリカの運命を知るその時までは。

ここでエリカの身に起きたことは、犬神明を次の「人狼地獄篇」へと向かわせる。親友・石崎郷子の言葉も彼を止める力を持たない。

アクション小説としたならば、敵役ライオン・ヘッドのあっけない退場はふさわしくないかもしれない。しかし、あまりこれに対して不満の声は上がらないのではないか。最大のボルテージは、犬神明がエリカの運命を知った、その瞬間にこそ在る。
そして、この感情を共有すればこそ、読者は犬神明と一緒に地獄篇に進んでいくことを選ぶのだ。

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