喜国雅彦・国樹由香「メフィストの漫画」

「ミステリに至る病」をはじめとする喜国ミステリ漫画、豪華作家陣が漫画でペットと登場する「国樹由香のあにまる探偵団」他を収録。『メフィスト』掲載ほかをまとめ単行本化。

『国樹由香のあにまる探偵団』
有栖川有栖、北村薫、綾辻行人、小野不由美、法月綸太郎、我孫子武丸、二階堂黎人、森博嗣、太田忠司、井上夢人、笠井潔、芦辺拓、京極夏彦、白倉由美、東野圭吾
豪華作家陣が漫画でペットと登場!!
ミステリを愛しすぎた漫画家・喜国雅彦が描く密室殺人!アリバイトリック!ダイイングメッセージ!不可能犯罪!ミステリ界震撼の喜国ミステリ漫画がついに単行本化!
『ミステリに至る病』をはじめ、あちこちに描いたミステリ関連作品をすべて収録!!
山口雅也氏とのマニア鼎談付き!



 雑誌「メフィスト」に連載されていた喜国雅彦「ミステリに至る病」が面白かった、その記憶があった。
 喜国雅彦の漫画といえば、「めぞん一刻」が連載中だった頃じゃないかと思うのだが、「ビッグコミックスピリッツ」にパンチラマンガ(?)を載せていたはずだ。そういう作風なんだろうくらいで、特に興味を持つこともなかった。購読した「メフィスト」に連載されていなければ読むはずも正直ない作家であり作品だったはずだ。
 それが、一読、なんだかすごく胸がいっぱいになった時があった。

 誰ももう振り返らない『本格』、時代遅れの『本格』、子供だましの……

 けれど、そんな『本格』をどうしても好きでたまらない、愛し続けずにいられない、そういう想いが溢れかえっている、そんなふうに感じるような一篇だった。そう記憶している。というより、そのセンチメンタルな感覚だけが残っていて、具体的なネタや構成は実は覚えてはいないのだが。確かに、そんな一篇があった。印象強い一篇だった……

 アパート住まいだったので、溜まった雑誌にはだんだんとさよならしないとならない。その一篇の載っていた「メフィスト」にも、やがてバイバイしてしまった。もしかしたら、いつか単行本にまとまるかもしれない。その時には、購入しよう……そう思った。

 そして、今回とうとう、やっと、という感じで、単行本化された。早速ネットから購入。せっせと読んだ。
 なつかしいものだった。ああ、こういうのもあったな、この「白樺荘事件」のネタ、今となってはさらに物悲しくなってしまったな、などと……
 が、あれ……? あの一篇、あれがないんじゃないか……?
 具体的なものは忘れてしまっても、読めば判ると思っていた。「白樺荘事件」麻雀だって、すぐに読んだときの感覚が甦った。他の回のも、読めば最初に雑誌上で読んだ時の……
 それなのに、印象強いはずの、読めば「これ!」と感じるはずの、あの回だけが、ない……?

 収録されなかったのか? けれど、連載分だけではページ数が足りずに他の作品まで載せているくらいだから、わざわざ未収録を作ることはないだろう。「封印作品」……になるようなネタは他にあるだろう(^^;)。ならば、いったい……
 ひょっとしたら、「これ」が「あれ」だったのか?
 それは、「私の本格買って下さい」エピソードで、これもちゃんと読んだ記憶がある。ムードなどは確かにこんな感じではあるのだが……
 いろいろネットで検索もしてみたのだが、別に誰も「あの回が収録されてない!?」とか愕然としていないので、たぶん私の脳内で感動感傷が美化されて、『幻の感動作』を造り出してしまったのだろう。そして、現物を読んでも、それと気がつくことができない……

 この体験もなんだか小さなミステリみたいだな、と思った。黒後家蜘蛛の会に持ち込んだら、ひょっとして誰かが、もっと意表を突いた解釈でも聴かせてくれたかもしれない。そして、ヘンリーが……
 「黒後家蜘蛛の会」も、もはや書き継がれることはない。三番館も。
 「白樺荘事件」同様、「幻の感動作」も、幻のまま感傷回路の底で温めていよう。解釈などやめてしまって。
……そんなふうに、書きながら考え始めた――。


メフィストの漫画
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