平井和正「人狼天使III」

現代のソドムと化した背徳の都市・ニューヨーク。ブリザード吹きすさぶ酷寒地獄のこの街は、魔の波動を発する悪魔たちの巣窟なのだ。奴らの手中におちた“天使”マイク・ブローニングを助け出したおれだったが、さらなる災厄が降りかかろうとしていた―。人類を破滅へ追いやらんとする魔手が蠢く中、ひとり孤独な戦いを続ける犬神明に勝利の日は訪れるのか?

「人狼天使」3冊目だが、ノンノベル刊行時には「人狼天使第III部 魔王の使者」というタイトルだった。
それが、角川文庫で刊行されたとき、まあ人狼天使という通しタイトルが失われたのはそれまでの第1部第2部がそうだったのだからそうだろうということにして、なぜかタイトルが「ウルフガイ 魔界天使」。
「魔王の使者」は?
とうとうノンノベル版とまったく関係ないタイトルの本が一冊できてしまった。「人狼地獄」は、まあ、ハヤカワ文庫「人狼地獄篇」から来ているんだろうけれど、なんだこのキョンシー映画みたいなタイトルは? と当時は思ったものである。

この第3部を再読してみると、やはり面白い。キャラクターたちが生き生きしていて、その行く末を知りたくなってしまう。
第1部第2部から登場していたジュディ、ガブリエル、ロディ、ダニエル・ルート、ファーマーといった面々に、この第3部で登場するのちの東丈に通じるものを感じさせるマフィアのリーダーやその妹、そして矢島絵理子……
あれから20年、彼らの時間は凍結されてしまったのだろうか。

特に、ジュディやガブリエルのことは、これものちの「幻魔大戦」に収斂されていったこととはいえ、このまま凍結というのはなかなかツライものがある。今となっては、このストレートな続編を読むことはまず間違いないくらいに不可能なことなのだと思うしかないのだが……

閑話。ロディは、ノンノベル版第3部ではなぜかエディという名前になっていた。第2部でのロディの冷笑家ぶりに比べて、題3部のエディはずいぶん人間がやわらかくなったように感じたのだが、今回文庫版でロディに統一されたものを読むと、あんまり第2部のロディと変わらなく感じた(笑)。名前の響きの印象というものかな?

こんな面白い小説が中絶したままというのが、本当に残念すぎることではある。


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