必殺商売人最終回「毒牙に噛まれた商売人」

 突然顕れる大元締。仕業人の最終回でもそうだったが、寅の会のように普段からあるならともかく、かなり唐突な感じではある。

 第1話から通して見直してきたが、やはり新次が目立たずじまいだった。主水シリーズの実働隊たるレギュラーの中でも、一二を争うのではないか?(でも最下位は夜鶴の銀平で決まりだろう(^^;)) この結果として、絵の美しさは仕置屋を彷彿させながら、渋いという評価は評価として、印象濃度は低めになってしまった。
 最終回では、あらためて新次とおせいの交情が描かれ、もしシリーズ全体を通してこれがもっと色濃かったならと憾んでしまう。また、関連科目になるわけだが、新次のキャラクターがどうもはっきりしていないため、なぜ最後にわざわざ仕掛けなくていい仕掛けに赴いてしまったのか、実はよく解らない。正八が正八らしくごねるのはよくわかるが、新次は主水同様オトナとしてやり過ごす道が選べたのではなかったか。おせいが傷つけられていたなら、その復讐として十分わかることなのだが……。

 商売人の弱みは、仕置人の鉄や錠、仕留人の貢、仕置屋の市松、仕業人の剣之介ややいとや、新仕置人の己代松……らと比べて、いや、今名前を挙げなかった石屋の大吉や印玄と比べても、仕事屋からスピンオフしたおせい、お馴染みの主水に対して、期待の新キャラのはずの新次が最も地味で目立たずじまいだったという部分だろう。必殺ファンに好きなキャラクターの聞き取り調査をしたとして、先に挙げた面々は間違いなく上位に在るはずで、逆に果たして新次にはどれほどの票が入るだろう。

 物語にのめり込むには、いかに主人公たちキャラクターに感情移入できるかどうかがポイントになる。「新仕置人」では新キャラクター己代松は第一話では実に目立たなかったが、早速第二話で主役話が用意され、以降も、己代松のキャラクターを活かせる好編が何本も作られた。その中で己代松のキャラクターもまたどんどん魅力を増して行き、鉄にも互する最高のキャラクターの1人にもなったのだ。
 己代松主演エピソードにも印象強い名作が多い。
 翻って、商売人では、新次主演で記憶に残る名エピソードもなく、「なぜ新さんがあんなにもてるのだろう?」(ピンクル・談)という発言まで出てくる不発ぶりだった。

 ――しかし、このように、残念な部分は全体を通して多々あるのだが、この最終回では、「終わり良ければ……」に気合いを入れ込んだように、エンディングに向けてボルテージが増していく。新次が死んでいった後の主水がおせいに告げる言葉、そして赤子の死、明けての再び主水とおせい……この最後の一連には見入るよりない。

 これまでのシリーズでは、第一話や最終回以外にも傑作・名作・感動作とファンから愛されるエピソードが多く在ったのだが、商売人においては「殺られた主水は夢ん中」という異色作を除いては、特に声高に言われ、愛される回を聞かない。
 それでも、この最終回の幕切れが在る限り、商売人というシリーズそのものの「値打ち」も低くされることはないだろう。
 ここにもやはり、「終わりよければ」は成り立つのだ。
 逆に言えば、「終わり」を単なる「次シリーズへ続く」にしてしまった仕事人以降が、各エピソードのおしまいさえ中村家コントに揃えてしまい、結果として記憶に残るエピソード・記憶に残るシリーズを自ら損なわせていった……これが実に勿体ない――それをあらためて思ってしまったのだ……。


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薄かったですね、新次。
どうせなら主水と正八だけのドラマにしても良かったんじゃないでしょうか。

梅宮さんがあまり役柄を広げていくタイプではなかったのでは?
巳代松のキャラって、中村さんの二話目以降の演技を観てから脚本家や監督が理解していったような気もします。

「殺られた主水は夢ん中」は面白かったです!
印象に残った回っていうと、シーンごとにはあるんですがエピソードとしては残ってないですね。
最終回はせつなくて印象的でした。
葬儀の列は今も目に焼き付いてます。

ただあんなに辛く悲しいことが、不思議と仕留人や仕置屋の最後よりもショックじゃなくて、それが自分にとってショックでした。

ごめんなさい!

コメントに以前のURL残してしまいました。
失礼いたしましたm(_ _)m

主水と正八のドラマにして、仕事屋稼業(笑)
正八のような殺しについては素人な人間が毎回死にものぐるいで仕置を敢行するというのも、それはそれで面白かったかも(^^)
私が中学生時代、初めて商売人をリアルタイムで見ていて、それまで漠然と必殺シリーズというものがあるとは思っていて、水戸黄門みたいにレギュラーはずっと変わらないでやっているものと思っていたので、最終回で新次が死んだのはインパクトはありました。でもキャラクターとして印象深かったわけではないんですよね、残念ながら……
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