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東野圭吾「聖女の救済」

男が自宅で毒殺されたとき、離婚を切り出されていたその妻には鉄壁のアリバイがあった。草薙刑事は美貌の妻に魅かれ、毒物混入方法は不明のまま。湯川が推理した真相は―虚数解。理論的には考えられても、現実的にはありえない。

この最新長編を読む前に、最新短編集の「ガリレオの苦悩」の方から読んだ。この短編集から、内海薫が登場している。
ドラマ化された際に出現したテレビ向け、視聴者向けのキャラクターだったが、小説で再生・新生した彼女は、テレビドラマでの「視聴者に親しみの持てる」ワトソン役とは違っていた。むしろ、独りで「女性刑事」として主人公になれるだけの力を持っていた。この辺りが、東野圭吾の安易でない作家魂といったところだろう。
こちらの長編でも、内海薫は十全な活躍をする。内海、草薙、そして湯川の、三者三様の動きや思いが、小説を織り上げていくのだ。

ミステリとしては、カバーの煽り文はもちろん魅力的だった。「君たちは負ける。僕も勝てないだろう。これは完全犯罪だ」。これは名探偵対名犯人の知的対決ものとしての本格ミステリではわくわくさせずにはおかないセリフに違いない。

トリック自体は例によっての物理トリックなので、個人的にはあまり驚きはない。もちろん、「1年」という、なるほど「ありえない」ことへのある程度の意外性はあるが、これについても個人的にはさほど慄然とはしなかった……あの場面のリピートに気がつくまでは。

何日かかけてゆっくり読んでいたら、読み過ごしてしまっていたかもしれない。1日で一気に読んでいたから、あれ、と思えたのかもしれない。
そして、同じような会話……と思いながら、冒頭と読み比べたとき、初めて衝撃が走ったのだ。
これは――叙述トリックというものではない。けれど、誰もが思っていたはずだ。これは、その日の会話だったのだと――。
これは――。
そして、ようやく犯人の思いの重みが感じられるのだ。その、決意と情念を……。

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